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10話目 ページ14

あれからよく分からないまま時間が経ち、気づいたら3階の自分の部屋の前まで来ていた。

多分ジョーが私を引っ張り出してくれたのだろう。

感謝しかない…。


今日はもう寝よう…と部屋に入ろうとしたとき、声を掛けられた。

マルフィ「ミスA」

…Ms.とか、呼ばれ慣れてなさすぎてスルーしてしまいそうになった。

私を呼んだのは隣の部屋のマルフィさんだった。

そう、あの自己紹介のとき、私の前に座っていた方だ。

『マルフィさん。あの、』

マルフィ「キミは私のことを覚えているかい?」


あぁ、やっぱり。






・・・・・・・・・・・・・



これは多分人間界でいう1年くらい前の話。


クラゲになって随分時間が経っていた私は、自分のクラゲ力(?)を過信しすぎていた。
しかし今と同様魔力は安定しておらず、自分だけの力では人の姿になることも偶然の確率くらいでしか出来なかった。


その日は満月だという話を聞いて、私はどうしても月を見に行きたかった。

浅瀬に出るのはジョーの許可が必要だったが、ジョーはほかの仕事があったらしく海にはいなかった。


本当は1人で浅瀬に行くなと言われていたけれど、私は言いつけを破って1人で浅瀬に行った。


海の中からじゃ分からなかったけれど波が少し高かったようで、私は荒れた海では上手く泳げず、波に攫われ岩の上に打ち上げられてしまった。

いやもう自業自得としか言い様がない。


1人でもがもがしているうちに波は落ち着き、雲の間から綺麗な満月が見えた。


もう半分くらい諦めてこのまま月を見納めようとしたときに、1羽のカラスが私の前に降りたった。


しばらく私を見つめた後、ぼそっと何か言ったかと思うと、次の瞬間人の形になったのだ。

それがマルフィさんだった。


マルフィ「クチバシで咥える訳にもいかないからね、ビックリしただろう。さぁ、海に帰りなさい。」

そう言うと彼は私を手ですくい上げ、海にそっと帰してくれた。


この時私を素手で触ってどうもしなかった時点で彼がそれなりのモノなのだと気づくべきだったのだが、この時の私はとにかく驚きしかなかった。

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はるまき(プロフ) - 続きが気になる... 更新待ってます! (2022年10月4日 0時) (レス) @page43 id: 7c9c8aed08 (このIDを非表示/違反報告)
猫目石(プロフ) - 続きが、、、、気になる、、、 (2020年9月27日 14時) (レス) id: 5676b10c1c (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 10時) (レス) id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - いつも更新楽しみに待ってます!これからも頑張って下さい! (2018年12月27日 17時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
悪魔のクリオネ(プロフ) - 与太さん» こんな面倒くさい訂正にも丁寧に答えてくださり、ありがとうございます!ずっと応援しますし、更新待ってますね! (2018年12月12日 20時) (レス) id: 1aaac5e030 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うみ | 作成日時:2018年11月7日 17時

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