レインボープール【1】

秘密（5） ページ21

あれからどうやって彼女と別れ、自分がどうやって帰ったかどうかもわからない。
ただ彼女に言われたことだけが頭を渦巻いていた。


『ハルが...好きなの。』



『ハルから逃げてるだけでしょ？』





｢っ...！違うっ...！｣


僕は逃げてなんかいない。
ハルが嫌いなだけだ。
...じゃあどうしてコンメを選んだ？
バック、ブレ、バッタ、フリー
そして...リレー
なんで選ばなかった？


僕は...

..........ハルとの接点を作りたくなかったのか？


ハルが怖かった？
僕の欲しいものを全部持っているハルが？


...新しくできたものまで取られてしまう...と？



｢＿郁弥？おーい、開けていい？｣


突然ドアをノックされる。

｢...どうぞ。｣

入ってきたのは日和だった。


｢どうだった？今日。｣

｢...あいつ、ハルが好きなんだって。｣

日和が息を飲んだ。

｢...え。春野さん？｣

｢あげくの果てに僕がハルを怖がってるって...笑えるよね。｣

あははと笑うが日和は怖い顔をしている。

｢...どういうこと？｣


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

日和に全てを話した。

｢...僕は春野さんが言ってたこと、合ってると思う。｣

｢....！？｣

日和まで...。

｢なんでよ。｣

｢...じゃあさ、なんで郁弥は中学の時のアルバム捨てたの？｣

｢...それは、｣

｢七瀬くんが写ってるから...でしょ？
それってさ...
逃げてるんじゃない？中学時代から。
......七瀬くんから。｣

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