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時は1時間前に遡る。
「A先生は、まだ残り?」
理科の準備室で、化学の伊黒先生が私に声をかけた。
「私は来週の準備だけして帰ります、伊黒先生はこれから飲み会ですか?」
「そうだ、いつものメンバーで行ってくる。」
私は今年からキメツ学園で生物を教えている、新米の臨時教師だ。
前任の先生だった胡蝶カナエ先生は現在産休でお休み中。
そして伊黒先生の言う飲み会のいつものメンバーというのは、
宇髄先生、不死川先生、冨岡先生、煉獄先生だ。
学園の中でも人気のある先生達だから、私も顔はよく知っている。
でも廊下ですれ違ったら挨拶をするくらいで、それ以上の事はよく知らなかった。
「じゃあ、他は戸締りしたからA先生、ここだけ戸締まりお願いします。」
静かに微笑んで会釈する伊黒先生に私も笑顔で「はい」と答えた。
外は日がもうすぐ沈もうとしている。
運動場では野球部の生徒達が片付けを始めていた。
来週使う教材は外の倉庫に閉まってあることを思い出す。
暗くなる前に倉庫に教材を取りにいかなくては。
私は足早に準備室を出た。
<+)))><
普通、教材が保管してある倉庫といえば校内にあるのが一般的だが、キメツ学園はそうではない。
なぜかというと、倉庫の真上にある美術室の壁が度々吹き飛ぶからだ。
原因は美術の宇髄先生が爆発で壁を壊してしまうこと。
それでとうとう最近、倉庫の壁まで穴を開けてしまい、保管物を破損させないようにと、仮設置というかたちで現在の倉庫を外に移したのだ。
倉庫に着くと、私は引き戸を開けた。
まだ窓からうっすら夕日が指している。
私は引き戸から手を放し、倉庫の奥へ進んだ。
理科の教材は倉庫奥の一角に納めてあり、結構細かい教材も多かったりする。
そのため、よく知っていないと発掘するのが大変だったりするのだ。
「どこにあったかなぁ。」
ひとり呟きながら教材をガサゴソ探していると、
ガラガラッ
引き戸のレールに砂粒が巻き込まれるような音がして戸が開いた。
「ひゃっ」
思わず私も小さく叫んでしまう。
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favo(プロフ) - まゆさん» まゆ様☆ありがとうございます(*´∇`*)嬉しいです。少しずつですが、書きしだい更新させて頂きますね(o^∀^o)またどうぞよろしくお願いします! (2021年9月20日 14時) (レス) id: 8138f7760d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしてます(*^^*) (2021年9月20日 10時) (レス) id: 3becc2e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:favo(ふぁぼ) | 作成日時:2021年9月18日 18時