お騒がせギルド、妖精の尻尾 2 ページ34
「おぶ…もう二度と列車には乗らねぇ…」
「乗る度に毎回同じこと言うわね、あんた…」
翼を広げたハッピーにぶら下げられながら移動するナツに、ほとほと呆れたような視線を送るルーシィ。
「へぇ。ナツって列車弱いんだ?」
「正確には乗り物全般みんな弱いよ。移動の時は大体こうなっちゃうんだ」
「ここまで酷いと、日常生活にも支障が出そうですね…」
私物のスクールバッグに加えて新品の真っ赤なキャリーケースを引いている鈴鹿御前と、ダウンしているナツの代わりに彼の荷物と自分の荷物を纏めて持っているアルジュナは、ナツが度を超えた乗り物酔い体質であることを聞いて眉を下げた。
ハッピーはそう話しつつも「いつものことなので」と全く気にしない様子で白翼をパタパタと動かしている。
「あたしも最初はビックリしたわ。まさか動き出した瞬間グロッキーになるなんて…って。
あ、ここの通路を左ね」
ルーシィの先導に従ってマグノリア駅を歩くカルデア一行は、その規模の大きさと装飾の美しさに圧倒されて物珍しそうに右へ左へと視線を移した。
ドーリス駅の3倍はありそうな構内に、大荷物を抱えた商人やバスケットを持った主婦、杖を携えた魔導士らしき人々などが忙しなく行き交っている。
ドーリスとはまた違った活気を見せる雑踏にAが目を輝かせていると、ルーシィは駅の出口らしき場所で立ち止まり、仰々しく外を指さした。
「ようこそ、マグノリアへ!」
降り注ぐ陽光に目を細めながら駅を出た一行は、外に広がる景色を前に目を見開く。
賑やかな洋風の町並みは素朴さと活気を同時に感じさせ、巨大な教会らしき建物からは心が透き通るような美しい鐘の音が響いている。
そして町の最奥には、妖精の紋章を掲げた一際大きな建物がマグノリアの町を見守るように聳えていた。
「あの建物が
ルーシィの声掛けに大きく頷いたAは、ボストンバッグの肩紐を握り、気合いを入れるように肩にかけ直す。
マグノリアの地を踏みしめて、いざ、
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作者名:空思鳴 | 作成日時:2020年9月19日 1時