襲撃と邂逅 7 ページ19
サードストリート、森への入り口付近。
「ずいぶん遅かったじゃなぁい。彼を引き渡す準備はできたの?小娘ちゃん」
「アルジュナは私のサーヴァントです。引き渡すなんて絶対に嫌だ」
無数の手下を背後に控えさせてニタニタと笑う頭領・フォルミスに、Aは毅然とした態度でそう返す。
額に青筋を走らせたフォルミスは、地団駄を踏むようにハイヒールの踵を石畳に叩きつけた。
「キー!!価値も分からない無能のくせに…!
いいわ、彼を召喚する鍵さえ奪ってしまえばこっちのものよ!かかれ、野郎ども!!」
やはりサキの推測通り、彼女はAのことを星霊魔導士だと思い込んでいるらしい。
頭領の掛け声とともに、手下たちが一斉にAと鈴鹿御前に襲いかかる。
前方から武器を持って迫り来る手下の群れに向かい、鈴鹿御前はスッと歩を進めた。
刹那。盗賊たちの胴体を、一筋の閃光が横薙ぎに走り抜ける。
「な、に…!?」
鋭い痛みに崩れ落ちる手下たち。
意識が遠のき、ぼやける彼らの視界には、抜き身の太刀を右肩に担いで不敵に笑う鈴鹿御前の姿が映っていた。
「アハッ、手応え無さすぎ。烏合の衆のリーダー気取ってイキがってるなんて、アンタもダッサイ女ね!」
その言葉を挑発と受け取ったフォルミスは顔を真っ赤にし、鈴鹿御前の剣技を前に怖気づく手下たちに再び号令をかける。
「怯むな!数の多い方が有利に決まってる、さっさと殺しなさい!!」
命令に応じて雪崩のように押し寄せる手下たちに、今度は上空から矢の雨が降り注いだ。
「ぐあっ!?…この矢、一体どこから…!?」
蒼炎を宿した矢は、雷のような速度でひとりずつ確実に手下たちを射抜いていく。
命までは奪わず、それでいて再び立ち上がることのないように。
「マスターには、指一本触れさせません」
魔力で精製した矢を流れるように弓に番えて一息に放ちながら、アルジュナは戦いの場から目を離さずにそう呟いた。
鈴鹿御前とアルジュナの応戦によって手下の殆どを失ったフォルミスは、痺れを切らして自らのハイヒールに炎を灯す。
そして炎を後方に噴射させ、ミサイルのように高速で鈴鹿御前に突っ込んだ。
「数の暴力でダメなら今度は特攻?戦術がビギナーすぎてウケるんだけど」
「さぁ、それはどうかしらぁ?」
フォルミスはニタリと笑い、太刀を構えた鈴鹿御前の脇を素通りしてAに狙いを定める。
「なっ!?しまった…!」
「初めからアンタが標的よ!死ねェ、小娘!!」
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作者名:空思鳴 | 作成日時:2020年9月19日 1時