崩れ落ちた火蓋 14 ページ36
「サーヴァント程の膨大な魔力は感じませんでした。…ですが、見た目及び流暢な英語は引っ掛かりますね」
セイバーが報告する。
「ありがとうございます、セイバー。ですがサーヴァントの疑惑は晴れたでしょうし、見た目も納得いく理由が定まりました」
「…なんでしょうか?」
「若白髪って線…あいや、これはないか。元々メラニンの足りない人という線とか浮上するんです。英語は…瞳の色からも外国人でしょうか。そうなると説明がつくんですよ」
志藤は辿っていきながら説明し、自信満々に仮説を展開する。
現状における情報のみでは早計とも言えるが、理にかなっているともいえる。
その点に置いてセイバーは志藤の仮説を是とした。
「そういえばあの子、遠くから見てもわかるくらいには顔の造りが整っていましたよね」
「そうですね。童顔に合う青サルビアのような瞳など特に」
セイバーが笑顔で語るが、反面志藤は、驚いた表情で固まっていた。
「青サルビアですか…?僕には深海のような紺色に見えたんですが」
「深い青紫では?」
「え?」
「え?」
色の解釈に齟齬が発生し、互いにたずねあう。
セイバーと志藤は困惑し、その疑問が解けることはないと悟ったのか"色彩感覚の違い"として処理し、既にいなくなった少女に軽く疑いをかけた。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菫青 | 作成日時:2019年8月26日 22時