今度こそ、君を ※非夢 ※シロセミ ページ39
「サーヴァント、アサシン。セミラミスだ。さて…まずは玉座を用意せよ、話はそれからだ。…無いのであれば仕方ない、汝が椅子になるがいい」
『せ…』
「ん？」
『セミラミス様ーーーッ！！！』
あまりの嬉しさに、膝から崩れ落ちる。
だってだって、セミラミス様は私がずっと待ち焦がれていたサーヴァントだからだ。
我がカルデアのエース、ルーラー天草四郎時貞が、昔霊基を大幅に失う大怪我をしたことがある。
カルデアの魔力供給量ではなかなか治りが遅かったので、マスターである私が長時間側にいて少しでもすぐに治してやることにしたのだ。
『調子はどう？少しは良くなったかな』
「そう…ですね。座に帰るのも覚悟したほどの大怪我でしたが、貴方のお陰ですっかり良くなりました。ですがもう少しお願いできますか、マスター」
『もちろん。元はと言えば私の采配ミスだもん、ほんとごめんね…』
いえ、お気になさらず、と微笑む彼に、少しでも私の何かをもってお礼をしたくて、確か私はあんなことを思いついたのだ。
『あ、じゃあさ…そうやって隣で座ってるのじゃ物足りないし、ここに頭乗せて寝っ転がる？』
私は自分のふとももをぽんぽん叩いて、膝枕を申し出たのだ。
天草くんは少し驚いたように目を丸めて、それから、「いえ」、と短く返答をした。
「今回の私は、される側ではなくする側なんです。いつか来るであろうあのひとのために。」
『え？なになに、どゆこと？』
「ふふ、時が来たら全部分かりますよ、マスター」
悪戯に微笑むものだから、彼の怪我が治った後も悶々と考えていたら、ある日とあるサーヴァントと廊下でぶつかってしまった。
『あっ…ごめん、シェイクスピア！』
「なんのなんの、お気になさらず。して…なにやら唸りながら考え事をされていたようですが、如何なされたのです、マスター？」
『あ、うん…シェイクスピア、天草くんが膝枕なんてしてあげる人だと思う？』
そう言うと、シェイクスピアは目を丸くしたあと、満面の笑みでこう言った。
「勿論ですとも！」
それから彼は私に色々なことを聞かせてくれた。
聖杯大戦。赤のアサシン。その宝具、空中庭園。
そして、毒婦と神父の一方的かつ幸福な淡い恋とその散りざま。
詳しくではなく、大まかに。それでも、涙を流さずにはいられなかった。天草くんの膝は、いつか来たる彼女の特等席として取っておかなくては。
そ し て
『天草くん！召喚したよ、来て！！』
今日に至るのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜穂 - ロシェの双子妹設定でお願いします (2018年6月1日 18時) (
レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
菜穂 - リクエストでロシェの双子の妹とアヴィケブロンとロシェのお話お願いします (2018年6月1日 18時) (レス) id: 7818562d23 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - 鈴々さん» コメントありがとうございます！励みになります(^^) (2018年1月14日 20時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
鈴々 - あの、モーさんのお話すごい良かったです！とても感動しました！これからも更新頑張って下さい！ (2018年1月14日 17時) (レス) id: 7035b4d7f6 (このIDを非表示/違反報告)
七人の小人たち(プロフ) - ご意見ご感想はこちらにお願いします。荒らし行為等はご遠慮下さい。 (2018年1月3日 22時) (レス) id: f1c39b5493 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マスター | 作成日時：2018年1月3日 19時
