Encounter ページ2
誰もいない夜は退屈だ。適当に手に取った本のページが捲られることはなく、ただ中身の無い時間だけを繰り返す。
「ふむ……たまには外に出て散歩でもしようかのう」
老いぼれ口調が染み付いてしまったせいか、最近では一人でいる時もこの喋り方が楽になっていた。
鳥の鳴き声も、ましてや風の音さえも聞こえない真夜中。吸血鬼である我輩にとって、一番活動しやすい時間帯。
『〜〜♩♩〜♩』
ふと耳に届いたアコースティックギターの音色。美しい歌声につられて、つい足がそちらを向いた。
透き通った声に魅了され、更には物珍しさも手伝って、つい少女に声をかけてしまった。
「嬢ちゃん、こんな夜中に何をしておるのじゃ
若いおなごが一人でこんな所にいるのは危ないぞ」
『へっ!?……えっ、す、すみません……？』
「なにも謝ることはない
その制服から察するに、嬢ちゃんはウチの三年生じゃろう。生徒が学校にいることは何らおかしいことではないからのう」
馴染みのない作曲科の制服。
ネクタイの色は緑色で、我輩と同じ三年生だということだけがはっきりとしている
『すごい……暗闇なのにネクタイの色まで分かっちゃうんですね!!』
「我輩は吸血鬼じゃからのう、暗闇は得意なのじゃよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 257人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふぁる(プロフ) - AYさん» ありがとうございます！凄く嬉しいです♪♪最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2020年6月2日 23時) (
レス) id: 66c69d5d72 (このIDを非表示/違反報告)
AY - このお話大好きです。更新頑張ってください！！応援してます♪ (2020年6月2日 23時) (レス) id: b293a3810d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
