悪魔の所業 ページ6
嘉将side
辺りに舞う視界を覆い隠す砂埃。それが目に入らないように注意を払いながら僕は敵の攻撃を警戒していた。
と、いつの間にか僕の頭上に黒い影が現れ今にも鋭い爪を振り落とそうとしているのが見えた。
しかし僕はそれには目もくれず死角から飛びかかって来た“本物”の敵の腹にストレートパンチを叩き込む。
その読み通りそいつは本物だったらしく、微かに呻き声を上げながら離れていく。
すると砂埃が晴れ、攻撃を仕掛けて来た敵の姿が見える。
確か、こいつは・・・。
嘉将「JIMIN、だっけ?渡航者のAちゃんを逃そうとしていた・・・」
JM「フフ・・・。記憶を覗ける君にはそこまで分かっちゃってるか」
先程竜太くんの攻撃を喰らって立つのもやっとの状態のはずのJIMINだった。能力かなにかで治したのか、身体には傷一つ見当たらない。
記憶を覗いた限りではAちゃんの味方のように見えたJIMIN。しかしさっき、彼女の心を残酷なほどに踏み躙った姿を見て僕はその考えを改めた。
___こいつは天使の皮を被った、悪魔だと。
JM「まさか僕らの居場所を突き詰めてくるとはね。こんなことならもっと早くにAの心を壊しておくべきだったかな」
嘉将「それじゃ、なんで今まで彼女と仲良くしてきた?そう言うならわざわざ親交を深める必要は・・・」
JM「なんでって?そんなの決まってるじゃん」
そう語るJIMINの口が、ゆっくりと不気味に弧を描いていく。
JM「___あの子の絶望に打ちひしがれる表情が見たかったからだよ」
嘉将「・・・は?」
その答えを聞いて、口から自分でも驚くほどの低い声が出る。
なんだよ、それッ・・・。それだけの為に彼女を傷つけたっていうのかよ・・・!
JM「知ってる?人間が一番絶望する時はね・・・、“信頼していた人から裏切られる瞬間”なんだ。だから今までAに優しく接して僕に心を開くように仕向けてきたんだ」
“そのおかげでこれまでにない絶望の表情を見ることが出来たよ”と悪びれる様子もなくクスクスと笑うJIMINに僕は怒りを滲ませて睨みつける。
JM「クククッ・・・。君にも絶望に染まったAの顔、見せたかったなぁ」
人を傷つけることに愉悦の笑みを浮かべて語るそいつに、僕はどうしようもない嫌悪感を抱いたのだった。
243人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「LDH」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
萌 - 続き見てたいです。 (9月4日 16時) (レス) id: 3f0e2c3cfb (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2022年6月20日 12時) (レス) @page32 id: 411e2cf0cf (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - お久しぶりの更新ですね(;_;)/~~~現在私はスノーマンにハマってすっかりスノーマンの作品ばかり書いています汗でもLDHの作品も好きです!!これからも頑張ってください(>_<) (2022年3月11日 19時) (レス) @page25 id: c060af3ed8 (このIDを非表示/違反報告)
流大勝和(プロフ) - めちゃくちゃ続きが気になります!! (2021年12月20日 22時) (レス) id: 38b8bea7e4 (このIDを非表示/違反報告)
樽美酒みき(プロフ) - いつぐらいしたら更新をしてくれますか? (2021年12月14日 16時) (レス) id: 86fc452f95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:竜の騎士 | 作成日時:2021年8月29日 14時