story42★ ページ44
アリシア「な…何、これ………」
私は、目の前に広がる光景に目を見開いた。
そこには逃げ惑う人々、崩れている屋台……そして、ある場所から煙が上がっていた。
アリシア「ねぇ、ヴィトル、あそこって………」
ヴィトル「街の中心部だな、なんかわかるかもしれねぇ………行くぞ」
私とヴィトルは街の中心部に向かって走り出した。
………嫌な予感がする、アイレの街は治安が悪いとは聞いてたけど……ここまでなの？
街の中心部、そこでの光景に私は再び目を見開くことになる。
「きゃーっ！！」
「逃げろ！！」
「はっ、この祭りはこの魔賊であるオレらが乗っ取った！！この機会を…どれだけ待ち望んだことか……今日からこのアイレはオレらの支配下だ！！」
街の中心に立った男はそう叫ぶ。
叫ぶ男の隣で……ローブを纏った男が立っていた。風でその男のフードが取れる。
男は整った顔をしていた。
そして、男と目が合う。その男は……私を見て薄く、不気味に笑った気がした。
アリシア「っ！！」
ヴィトル「どうした？アリシア」
アリシア「う、ううん、何でもない。それより……早くカリム君たちにこのこと伝えなきゃ」
私はその場から逃げるように、ヴィトルの返事も待たずに走り出した。
ヴィトル「あ、おい！アリシア！！」
.
「ん？どうしたんだ、レイズ」
レイズ「………いや？面白い子がいたからね、」
男はフードを被りなおして、不敵に笑った。
「そうか？やっとこの時が来たんだ……お前の事は頼りにしてんだ、ヘマすんなよ？魔賊、副賊長レイズ」
レイズ「……わかってるよ、賊長ビスレ様。でーも、オレの興味は今はあの子なんだ。……あの、空の使者の女の子」
ビスレ「空の使者？んだよ、それ、聞いた事ねぇな」
レイズ「知らなくていいよ、ビスレは。オレの事情だからね………深入りしてくんなよ」
レイズはそういいながらビスレを睨み付けると、近くにあった屋台を一つ破壊して去って行った。
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作者名：セレーナ・ラフィーネ&しろーん x他1人 | 作成日時：2018年2月15日 15時
