story45★ ページ47
ヴィトル「よし、一気に裏山を越えるぞ」
アリシア「うん」
私たちは魔賊から逃げるために走り出した。
離れがたい気持ちもあるだろう、だけど………ここで立ち止まっているわけにはいかない。
魔賊に…会わなきゃいいけど。
会ったらそこで終わりと思った方がいい。魔賊と言うからにはそれなりに戦えるのだろう。それに比べて……こっちは無力。戦えるのは……強いて言うならヴィトルだけ。
カリム「裏山登るのって……こんなにキツかったんですね」
ヴィトル「そうか?」
アリシア「大丈夫?カリム君、疲れたら言ってね?」
カリム「………。」
私がそう言うと、カリム君は黙り込んだ。
カリナ「女の子に心配されて、カリムダサーい」
カリナさんが冷やかすように笑う。
よかった、さっきまでの暗さはどこにもない……これなら、きっと大丈夫。
カリム「ダサいって何だよ!カリナだってさっき……!」
カリナ「あー!聞こえませーん!!」
ヴィトル「……こんな時なのに賑やかだな、おまえら」
アリシア「そうだね、でも、こんな時だからこそじゃないかな?」
不安を押しつぶすように笑う、悪い事じゃない。
きっと、不安を少しでも和らげるために……隣に仲間がいるんだから。
カリム「あ、ここから少し険しくなるので気をつけてください」
ヴィトル「おう………、あのさ、今更なんだが敬語はやめねぇか?何か気持ち悪ィ」
気持ち悪いって言うのはどうかと思うが、それには私も一理あった。
だって、こうやって仲良くなれたのに敬語だなんて悲しいしね?それに敬語って難しくて苦手だし。
カリム「え、でも……そういうわけには………」
カリナ「そうよ!2人は大切なお客様だもの……」
ヴィトル「もう客じゃねぇよ、………仲間、だろ?」
そう、2人は大切な仲間。
こうやって一緒に逃げて、話して、その時点で仲間だ。だから…………
アリシア「お願い、カリム、カリナ」
「「………。」」
2人は顔を見合わせてやがて、諦めたように笑った。
カリム「うん……わかった、2人がそういうならそうするよ」
カリナ「えーっ!じゃあ、私も!」
そんな賑やかな雰囲気の中、
「いやー、いいよね〜………仲間とかって」
ヴィトル「誰だ」
レイズ「こんにちは、空の使者さん」
アリシア「………えっ、?」
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セレーナ・ラフィーネ&しろーん x他1人 | 作成日時:2018年2月15日 15時