【小説】能力者が通う学園 第二章【募集企画】

第52話「借りは作らない主義」桐島蓮 ページ2

氷我side

誰かの声が聞こえたためモゾモゾするのをやめた。よく耳をすますと凛の声だ。先生は出ていくということで二人になる。

出て行ったところを見計らって能力も少し使えるまで回復したため能力で傷を隠す。

「大丈夫？」と声をかけてきた凛に仏頂面で返答する。隠してることはきっとバレてる。

「修学旅行だっけか？お前どうするよ。俺は行かねぇ……というより金がねぇから物理的行けねぇ」

凛は迷っているようだ。理由は包帯を巻いている傷。それを気にしてるようだ。凛には昔と今の借りがある。甘いものは嫌いだが生きるための食料を与えてくれる相手。

「はぁ、お前行きたいんだろ？金面はまぁ……内職死ぬ気で頑張ればなんとかなるだろうし、修学旅行中、お前のその傷俺の能力で隠しておいてやる。」

凛は何か言いたげだったがそれに被せるように言う。

「何も言わなくていい。別にお前の傷を隠すくらいの力くらいはあるし、心配とかされたくねぇし、借りは作らない主義だから」

凛は「ありがとう」と言う。別に礼を言われたい訳ではない。借りを返すだけなのだ。

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