Chase you―κ ページ36
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『億泰くんは凄いね』
「あいつのドコをそー思ったんだ」
『覚悟してるところ、かなあ』
「……覚悟？」
序氏抗星の手元には日記がある。
簡易的な地図がメモられたページが開かれたままだ。筆跡から見るに、別人がメモったものだろう。
形兆はそれを尻目に、喉から出かけた疑問を押し込んだ。
彼女は淡々と言葉を続ける。
"復讐とは、己の運命に決着をつけることだ"。
『これさ、億泰くんが言ってた言葉まんまなんだ。
本人は……大切な決断ができなくて、兄貴に頼ってばっか〜ッなんて卑下するケドさあ』
むしろ、決断できないのは私の方かも。
そう言いたげな彼女の横顔を、形兆はまたもや黙って見つめていた。
形兆は序氏抗星の過去を知っている。こうしている今も、彼女が復讐と自責の天秤を揺らしていることも知っている。
そして、彼女の………優しさも、強さも、弱さも、知っていた。
「てめーのことは、てめーで決めな。
…俺もそうだった。柄でもねえと言われるかもしれんが、確かに親父には憎しみはあれど…、恩義も、あったんだぜ……。」
『！』
だからこそ、突っぱねた。
本人にとっては意図していなくとも、それは奇妙な温かみを持ってして、彼女の心に沁み込んだのだ。
＿＿＿＿＿彼女の復讐心は、鎮火してはいない。
しかし、それでも。それでも……、彼女の心には確かに、人の温もりや覚悟が宿っていたのだ。
それは、何を意味するのだろう。
きっと、本人にしか分からない温かさなのだろう。
少なくとも、彼女にとっては救いだった。
『＿＿＿＿…うん。じゃ、行ってくる』
「ハァッ？オイ、どこに……」
『ちょっぴりだけ、復讐のチュートリアルしに！』
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その後、○月☇日ってワケ。
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匿名希望の松尾です(プロフ) - イチジク最高！イチジク最高！……意外！それはチェン◯ーマンッ！ 読んだ瞬間、既に右の★とお気に入りに触れていました…(訳：最高に面白いです) (2022年8月2日 18時) (
レス) @page9 id: 8195809f5d (このIDを非表示/違反報告)
おそら - おもしろいです！ (2022年7月31日 15時) (レス) id: bee8fdeca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飽き性星人 | 作成日時：2022年7月27日 7時
