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クラス全員が作文を読み終わり、そのまま今日は帰ることになっていた。そのためAは先生の挨拶の後、高杉の元へ駆け寄って来る。


『はい、晋助さん!』


どうやら書いた作文は保護者に渡すように言われていたらしく、高杉は彼女の手から原稿用紙を受け取った。丸っこい字で書かれており、彼は優しく撫でるようにその文字に触れる。


他の子供が高杉のことを怪訝そうな目つきで見ていたが、彼も彼女もそんな視線いとも気にせず、二人の世界に入っているような、そんな空気が纏わり付いていた。


『どっかでケーキでも食って帰るか』

『また今日も特別な日ですか?』

『あァ、今日は二分の一成人式だからな』


くしゃりと撫でられた頭とお祝い事が嬉しい彼女は高杉の腕に絡みつく。そんなAにされるがままの高杉は、彼女から渡された作文を読みながら歩き始めた。


読んでいる彼の耳に届く、跳ねるAによってカタカタと揺れるランドセルとペタペタと鳴る上履き。彼女と出会った頃と比べると、その音は全てAの成長した証と流れた時間の数だった。


『この間、また子ちゃんが買ってきてくれたケーキがいいです!』

『……あれどこのだったか?』


高杉は思い出そうとして左上を見上げるが、思い出せずに髪をくしゃりと掻く。また子にケーキ屋の名前を聞くために連絡を入れた彼はふと横を向くも、そこにAがいない。

はっとして前を向けば、自分を手招く彼女の姿があった。


『晋助さん!』


早く早くと手招く彼女は、射し込む夕陽の中へと消えていってしまう。高杉は見失わないように彼女の後を追い、眩しい世界に一歩踏み出した。


晋助さんがいれば。Aがいれば。

どんな日でも特別に変わるということを、二人は気づいているようで気づいていない。


今はただ、これから味わうケーキの甘さを楽しみに、Aも高杉も息をしていた。



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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 沖田総悟、坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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ぴよこ - こんにちは。ハルさんが、占いツクールを引退してしまうとは寂しいです。でも、私はハルさんを応援します。 最後に、ハルさんが、大好きです! こんなに綺麗で、感動する作品をかく方を、私は他に知りません。 一番大きです! 今までありがとうございました。 (2018年10月1日 17時) (レス) id: 2dbadd9a51 (このIDを非表示/違反報告)
氷月(プロフ) - 少し涙腺崩壊しましたwハルさんの作品の雰囲気とても好きです!これからも頑張って〜! (2018年8月7日 16時) (レス) id: f4133f3bf1 (このIDを非表示/違反報告)
えまこ(プロフ) - こんにちは。ハルさんの作品全部大好きでした。ひとつ質問なのですが、こちらの作品の続編はもう書かれませんか?新しいことに挑戦しているハルさんを応援しています、頑張ってください。 (2018年6月17日 16時) (レス) id: e4c4f608b1 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - こんにちは☆最初から読み感動させてもらいました(>_<)これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年6月15日 13時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
ハル(6/17)(プロフ) - 美鶴さん» わぁわぁわぁ!! 美鶴さん!! ありがとうございます( ´ ∀`) 嬉しいです!! もう来週くらいまで迫ってきてしまいましたが、どうぞお時間が空いた時にでも見ていただけるとありがたいです!! ちゃんと生きてると思いますので、よろしくお願いします笑 (2018年6月11日 21時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2018年3月17日 19時

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