【銀魂】家族、あいしまして。

□6y/o「Fun day out with u」 ページ1

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目の前の彼女は、テレビにかじりつくように画面を見つめていた。アナウンサーの女が「見てください！」と大袈裟な声を出し、演技臭い感想を述べていく。


『大江戸動物園の新しい仲間、パンダのソラチンです！ わ〜！ 可愛い！』


ありきたりな感想の後、そのアナウンサーは飼育員とパンダの誕生について話し始めた。動物園で半年前に産まれたらしく、ようやく一般公開されることになったのだ。


巷ではパンダグッズで溢れかえっており、この間坂本もAへのお土産だと言ってパンダのぬいぐるみを買ってきた。Aはそのぬいぐるみを抱きしめ、テレビの中のソラチンに夢中である。


共に暮らしていくうちに分かったが、どうやら彼女はふわふわした物が好きらしい。そのためまた子が買ってきたフードに動物の耳がついているパーカーをよく着ている。


『……見に行くか？』


俺の声にピクッと小さな身体を跳ねさせ、勢いよく振り向く。「いいの？」と聞きたげにパチクリと瞬きをし、それに頷けば、花が開いたように嬉しそうに笑った。


早速行こうと俺の腕を引っ張り、俺は前のめりになりながら車の鍵を手に取る。マンションのエレベーターでは足に引っ付きながら「ソラチンが〜」と楽しそうに舌ったらずな口調で話していた。


Aが自分からこんなに喋ることが珍しく、相槌を打つだけしか出来ないが、たまにちゃんと聞いてることを教えるように「それで？」と返す。そうするともっと楽しそうな顔をするもんだから、つくづく俺はコイツに甘いと思い知らされた。


車のテレビで先ほどのニュースを映してやると、夢中になってソラチンを見ている。口がアホみたいにぽかんと開いており、それに小さく笑いを漏らすと、彼女は俺を不思議そうに小首を傾げて見上げてきた。


『……もう着くから、準備しておけよ』


真っ直ぐな目が子犬のようで、俺の汚いところを見透かされる気がしたために、思わず顔を逸らしてしまう。

まだ慣れない彼女のキラキラした眩しい視線。しかし、ひしひしと感じる胸の痛さが今は心地よかった。



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