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第拾弐話 ページ17

目を凝らす。
そこに居たのは異形の鬼。
顔は謎に整っている。
例えるならば阿修羅像に近いだろうか。
6本の腕、その1本1本に刀を持ち静かに近付いてくる。
知能を試すか…私は足元を蹴りあげ手軽な小石をキャッチする。

ヒュンッ
速度を上げ小石はそれ(異形の鬼)の顔の近くへと接近する。
刀で弾き飛ばそうともせず顔面に受ける。かと思いきや刀を1本捨てて右腕の1本でキャッチする。
「そこの方…」
人語を解す。高めか。
私は無言で刃を構える。
「私には戦う気がない…貴女と話がしたいのだ…」
…?戯言か
「…ならば刀を棄てれば良いではありませんか」
「面白い冗談ですね…それをしたら貴女は私を襲うでしょう…?」
「当たり前ですね…言いたい事はそれだけですか?」

鬼はフッと笑い私に問う。
「ならば貴女の事を知っている。と言えば?」
っ?!いつの間にか鬼は私の眼前に迫っている。
気が付かなかった。
「フフッ…私はここに閉じ込められた鬼ではない。外から来たのですよ。自分から…ね」
「貴方は一体…何者だ。」
「簡単なことです…鬼舞辻無惨とは違う派閥の鬼。とでも言っておきましょうか。」
鬼舞辻無惨と…違う派閥?そんなものが存在するのか…?信じられない。
「ではこうしましょうか。選抜が終わった明日後、月が咲く山で待っていますよ…」
「行く訳なんかないでしょう…」
ギリッと歯噛みする。
「いいえ…貴女は来ます。絶対に
何故なら貴女は此方側に来ることが出来る《ニンゲン》だから」
そう言い残しそれは鬼が塵芥となり、舞うように消えていった。
あいつは…一体何者なんだ…。
わからない。わからない。

1匹の鬼が飛び出す。
そちらを振り向かずもせずに斬り捨てる。
暫く思考に耽りながら山を歩く。
やがて日が昇る。

金属が当たる音…荒い息遣い。戦闘か…
草木を掻き分け覗くと先程見た黒髪の人間。
やや劣勢。といった所だろうか。

助太刀…して迷惑って言われたら面倒だしなぁ。
ボーッと眺めていると鬼が此方に気付く。
だがすぐさま黒髪の人間に目線を戻し、戦う。
人間は戦いに必死で此方を見る余裕すらないようだ。
助けるか…。

後ろから1突きにして頸を落とす。
抵抗も何も無く頸は落ちて塵芥と成り果てる。
「…大丈夫?」

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
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とある堕天使(プロフ) - 花猫さん» さんくす (2020年8月18日 2時) (レス) id: a3cbec4d52 (このIDを非表示/違反報告)
花猫(プロフ) - いいね! (2020年8月17日 22時) (レス) id: cf66358d19 (このIDを非表示/違反報告)
とある堕天使(プロフ) - ほねさん» さんくす (2020年8月17日 20時) (レス) id: a3cbec4d52 (このIDを非表示/違反報告)
ほね - すげぃです (2020年8月17日 19時) (レス) id: 0dbf8d94d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とある堕天使 | 作成日時:2020年8月17日 18時

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