すきで、好きで。

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Aside




「サクラってお付き合いはしないんでしょ？」



「うーん、おばさんは俺に結婚させたがってるみたいでいい人いたら本気出しなよって言うんだけどさ。」


実際そんな運命の人なんていなかったんだよねぇ、今まで。なんて。



この人、話せば話す程ユルい⋯


と思ったら途端雰囲気がガラリと変わった。



「お姉さんに会うまでは。」



⋯へ？



「一目惚れしちゃった。婚活なんてしないでよ？」



⋯ん？



「⋯やっぱり新手の結婚詐欺師くんなの？」



思わず思ってる事が口に出たら
またゆる〜く笑ってちげーわって否定される。



「これで信用出来る？」



ぱっと差し出された名刺。



『玉森 裕太』・・・



確かにスタッフさんに玉森さんって年配の方がいるのは知ってる。



「詐欺じゃないでしょ？」


いたずらっぽい目を向けて私を上目遣いで見てる玉森くん。




詐欺じゃない。
それはわかった。



けど・・・ん？



一目惚れしちゃった、なんて言ってたよね？
どういう事？



一人意味わからず頭を整理してる私に



「コーヒー、おごり。遠慮せずどうぞ。」



なんて差し出されて自分のをごくごく飲み出した。



訳の分からないという顔の私を気にも止めてない様子で



「お姉さん、なんでこんな所来てんの？」



お姉さんの来るような所じゃないでしょ？ここは、なんて普通に会話始めちゃってる。




「⋯結婚？したいなって思ったから。」



「なんで？」



「なんで？って⋯」



宏光を忘れる為なんて言えるはずもない。
困ってたら






「俺にしなよ。結婚相手。」









⋯何を言ってるんだろう、この人は。




「あ、お姉さん、名前教えて？」




・・・やっぱりユルいしっ！

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