すきで、好きで。

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Aside




強引に引っ張られてる事に
何がなんだかわからないまま付いてくしかない。



どうしよー？
このまま高いクリーニング代請求されたりしたらっ。


もしかして新手の当たり屋的な？
怖い事務所に連れてかれて
身包み剥がされちゃうのかな？



ダメだ！
どこか入ろうとしたらどうにかして逃げなきゃっ！！



でもどうやって？？



「あ、あのっ！！」


コンパスの長い人に付いてくのが大変で
若干息切れ気味。



「ここ、入んない？」


どこ？！


ぱっと見た場所は
なんてことない。



チェーン店のカフェで途端ため息が出た。


まさかこのカフェで怖い人が出てくるなんてないよね⋯？



相当疑り深い顔してたのかな？



今度は笑いをこらえ切れず大声で短く笑って



「クリーニング代なんていらないからさ？コーヒー一杯付き合ってよ。」



・・・ん？



そう言ってまた私の返事を聞く前にお店の中へ誘導された。




何がなんだかわかんないまま
言われるがまま座ってると二つのコップを載せたトレイを持って向かいに座る男の人⋯




よく見るとこの人整った顔立ちしてる。
色白で俗に言うイケメン。



「アイスコーヒーで良かった？」


あっちーからさーって私がファンデを付けた上着はいつの間にか脱いでた。



「あ、お金、クリーニング代と一緒にお支払いしますっ。」



財布を取り出す私にだからいいよってやんわり断られた。



「でもっ⋯」



じゃあなんでこんな所に連れてきたの？



⋯新手の結婚詐欺師？！「お姉さん、さっきの婚活パーティーの参加者でしょ？」



ほら！やっぱり！！


その手には乗りませんよ、なんて黙ってしまう私に



「オレ、その結婚相談所で働いてるスタッフの甥っ子なの。たまにサクラ頼まれるんだけどさー。いい加減だるくなっちゃったわ。」



「え？そんなのカミングアウトしていいの？」



「平気平気、ボランティアだし。
そもそもお姉さん、そういうこと知っても告発なんてしなさそうだし？」



「そりゃ告発なんてしないけど⋯」


そんな事を会員の私にペラっと喋っちゃうこの人にもだいぶ問題があるんじゃあ⋯



でも確かにこのイケメン君がいるといないとじゃ女側もやる気が一気に変わると思う。けど⋯

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