すきで、好きで。

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Aside









「さくら、寝ちゃってるよ？」


「おー、ほんとだ。こいついっつもじゃんっ」


信号待ちで運転席から後部座席を覗いてる。


すでに横になってスヤスヤ寝てるさくらを見つめる宏光の目は、吸い込まれそうな程優しい目をしてて
やっぱり宏光はさくらの事好きなんじゃないかな？なんて勘ぐってしまう。




「さっきの人、藤ヶ谷さん？四人で飲みに行こうって言ってたね。」



初対面の人にあんなサラッと言われて少しびっくりしたけど誘い方が自然で嫌な気はしない。



「⋯おー、どういうつもりなのかな？あいつ。」



「ね、ちょっと思ったんだけど藤ヶ谷さん、さくらの事気に入ったんじゃない？」



「えー？マジで？それで四人で、って？」



「いや、私達が会う前から話してたみたいだから少し仲良くなったのかな？って。」



私の言葉にわかりやすく不機嫌になる宏光。




「⋯嫌なんだ？さくらが狙われるの。」



ドキドキしたけど確信についてみた。
だってそんな怖い顔してる理由知りたい。



「⋯そりゃいい気はしねえよ。藤ヶ谷ってだって完璧じゃんっ」



「⋯なにそれ？完璧なら言う事ないでしょ？」



「完璧だからオレなんも言えねーだろ？」





⋯どういう意味なのかな？
もっと追求したいんだけど
それ以上は聞く自信がない。




「ふーーん。」




曖昧に返して車内は無言に包まれる。









「⋯おまえは？」



「ん？」



「あーいう男はどうなの？やっぱりいいな、とか思っちゃう訳？」



「え？藤ヶ谷さん？まあ、素敵な人だよね。」



「ふーーん。」



え？なに？
宏光の質問の意図がわからないまま家に到着した。



終始ブスっとしてる宏光を見て
宏光は相当さくらの事を藤ヶ谷さんに取られたくないんだ、って事だけはわかった。



って言うことは⋯



邪魔者は私？

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