すきで、好きで。

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さくらside






楽しかった海水浴から一週間ほどたったある日。







──ピンポーン、



「みーっくんー！
あーそーぼー！！」


「ちょっ、さくら！
声おっきいよっ！」







近所迷惑でしょ、って
隣でシーっ！てしてるAちゃんと一緒に
みっくん家のインターフォンを押した。









.







一回目の応答がなくて二回目を押すと
プツッ、とインターフォンが繋がって

──留守でーす。お帰りくださーい。

と、聞こえてきてすぐにまたプツッ、と切れた。









「「・・・」」








二人で無言の意思疎通をしてから



───ピンポーン、




もう一回チャレンジ。









「留守だったら、みっくんの大好きなカニうちら二人で食べちゃうからね。」







・・・・・









.







──ガチャっ、





「よく来たな、入れ入れ」






すぐに開いた玄関の扉と
Tシャツ姿のラフなみっくんの姿。






「ぷっ、たんじゅーん」


「お前は入るなっ、カニだけ置いてけっ」


「なんでよっ？！
私が持ってきたカニだよ？！」


「さくらに用はねぇもん」


「ひっど！！！！」








ワーギャーしながらのやり取りをクスクスしながら見てたAちゃんが
隙をついて一番乗りにみっくん家へと入り込んだ。








「ほらさくら、早く入ろうよ」


「あ、う、うんっ」








何だかんだちゃっかりなAちゃんに
くだらないやり取りも終えて
しょうがねぇな、って結局嬉しそうなみっくん。








.








.









「今年カニが沢山取れたらしくて
いつもより多く送られてきたから大量だよ〜」


「お、まじ？」


「今日みっくんママ仕事遅いんでしょ？
ちゃんとみっくんママの分も残しておいてね」


「気が向いたらな」







毎年、私の家に親戚から送られてくる大量のカニ。

それをみっくんとAちゃんにお裾分けするのも恒例で
こうして三人でカニを食すのもいつの間にか恒例になってた。

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