傷心同士【ハイキュー】

7話 ページ8

机の上に置いたスマホを取り、LINEを開くと、黒先輩からだった。


『今何してる？』


それだけ来ていた。


私はあまり京治に見られないよう、少し影を作ってスマホを操作する。


素直に今の状況を送るべきか？


下手に返信すると、LINEが長くなって、京治に怪しまれるかもしれない。


けど……


京治とはただの幼馴染だし、京治にとって私は妹みたいなものだろう。


だから、黒先輩と堂々とLINEしても何も思わないよね。


『今京治とテレビ見てます』


私は影を作るのをやめて、普通にスマホを操作した。


京治は気にもかけず、テレビに集中している。


なんか安心したかも


なんでか、京治に黒先輩とのLINEを見られるのは嫌だと思った。


私の京治だけを見ている、そういう誠意を見てもらいたかったから。


でも、この気持ちは今となってはただの未練だ。


失恋しているとはわかっていても、この数年間募らせた恋心はそう簡単に消えることはないのだろう。


なら、それを断ち切る為にも堂々とLINEすればいい。


今日の事だってバレても構わない。


それで京治に突き放されても、蔑みの目で見られても、もうどうでもいい。


今の私が一番にすべきことはみゆりを素直に応援するためにも、京治への想いを断ち切ることだ。


そんな事を考えていると、すぐに既読がつき、返信がきた。


『そうなのか。大丈夫か？』


黒先輩、まだ心配してるのかな


そう思うとなんか面白くて、フッと笑いが漏れた。


赤「どうした？」


笑った私に気付いたのか、京治は聞いてきた。


あ「黒先輩とLINEしてたんだけど、ちょっと面白くてw」


そう話すと、京治は少し表情を変えた。


いつもあまり変化しない京治の表情筋が動いている。


まずそこに驚く。


赤「黒尾さんと仲良いんだね」


変化したと思われた顔はすぐに元に戻り、少しの笑みを浮かべてそう言った。


あ「んー、まぁそうかも」


黒先輩は他の先輩と比べたらまぁまぁ話す方だし……


何より同じ片想い同士、沢山恋バナしたし……あんなこともした


きっとこの関係が、友達以上恋人未満なんだろうな

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