隠した愛 2【PSYCHO-PASS】【狡噛慎也】 (ページ9)

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56話ページ9

あ｢ﾊｯ｣

ナイフとナイフがぶつかり合う

その隙に槙島が私に蹴りを入れようとする

それを肘で抑えて、私も蹴りを入れる

バランスの崩れた槙島の腹にナイフを突き刺す

だが、それはかわされ脇腹を掠める

槙島｢やるね｣

あ｢そりゃどーも！｣

そう言いながら、ナイフで２撃目を入れる

それもまた掠るだけ

その苛立ちで隙がうまれてしまった

槙島は私の腹を蹴り、押し倒す

あ｢ゔっ｣

槙島｢キミの負けだ。趣味は悪いがキミが怪我をすればするほど狡噛慎也を焚きつける事が出来るだろう｣

槙島はそう言うと、私の腹に私が手にしていたナイフを突き刺す

あ｢あ"あ"あ"あ"！！！！｣

ぐりぐりとナイフを押され、痛みがほとばしる

私は最後の抵抗と、槙島の首を絞める

槙島｢悪足掻きか？面白い。だが、キミが落ちる方が先だ｣

槙島はスタンガンを出し、私にそれをあてがった

その瞬間ビリビリと体に電流が走ると共に意識が遠くなった

･

｢Aさん！Aさん！！｣

体を揺らされ、意識が戻る

あ｢ゔっ、ｶﾊｯ｣

常守｢大丈夫ですか！？応急処置はしていますが動かない方がいいです｣

もう着いたのか……

あ｢朱、ちゃん……槙島は？｣

常守｢恐らく……ラボ、宜野座さんと征陸さんの所です。2人が危ない……｣

なら行かないと

あ｢早く行かないと……処置ありがとう｣

六合塚｢A、ダメよ動いちゃ｣

あ｢ううん、行かないと。ここでくたばってちゃ私は私を許せない。この先一生後悔する｣

その言葉に朱ちゃんは目を見開く

慎也くんのあの手紙の受け売りだもんね

でも、私がそう思ったのが今なだけ

私は痛むお腹を抑えながら立ち上がる

常守｢無理だけは……しないでください｣

あ｢ありがとう｣

私はラボへと向かった

もう少しでラボに着くというところで、爆発音が響く

なに！？

私は痛みも忘れて走る

そこには、倒れている征陸さんがいた

ギノさんは左腕が潰れて血を流して、征陸さんに寄り添っていた

そして走り出す槙島の後ろ姿が見える

あ｢征陸さん！ギノさん！！｣

宜野座｢A……｣

そう言って私を見つめる目は助けて欲しいと縋っているように見えた

そこに一発の銃声

あ｢慎也くん｣

慎也くんもその様子を見て足を一瞬止めた

狡噛｢とっつぁん！！｣

ごめんなさい

征陸さん、ギノさん

私はそう思いながら槙島を追って走り出した

少しして後ろから走る足音が聞こえる

慎也くんもやっぱり来たんだ

でも、私が先だよ