【妖怪ウォッチ】望みも, 願いこそあれ。 (ページ14)

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･Story 13 ページ14

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翌日が丁度休日で良かった。
昨日に引き続けて、話をスムーズに進められる筈。

朝の十時頃、──正しくはその約五分前に
彼女は自室の窓から顔を出した。

……割と時間や規律にはしっかりとしているようだ。

「おはよう。……もしかして妖怪は寝なかったりするの?」

「寝る者も居れば、寝る必要のない者も居る」

「オロチは?」

「……寝ることもある」

──そんなどうでも良い情報を聞いて、どうしようと言うのだ。
ふーん、とやはり然程興味のなさそうな返事を聞いては呆れた。

寧ろ自分の睡眠に変な興味など持たれたら、無駄に警戒してしまう。

「……あ、妖怪って食事は出来ないの?」

「…………する者も居れば、しない者も居る」

「オロチは?」

「出来るが……」

何だ。今日はやたら妖怪に興味を持っているらしい。

そう考えて居ると、何故か部屋を出て行ったAは
数分ほどして戻って来た。

そして飲み物を差し出された。──食事の件はそういう事か。

「それで、どうしてわざわざ今日、ここへ?」

「……まだ重要な話が残っていたからだ。
それに……、昨日はもう夕食前だっただろう」

話が長くなって就寝時間が遅くなってはいけない、と
オロチが訳を話せば、何故かAはおかしそうに笑った。

「驚いた! 想像していた以上に優しいんだ」

「…………とりあえず話を始めても良いか」

そのお前が“優しい”を感じる理由は、この話と同時に
せねばなるまい──という思いで半ば諦めた様子で切り出すオロチに

Aはもちろん、というように頷き返すことで話を促した。

「まず、お前──Aたち人間が住むこの世界、
“人間界”があるように、私たち妖怪が住む“妖魔界”が存在する」

「……ふむ」

まあアニメや漫画にありがちな設定みたいな感じだと
納得するようにして頷くA。

「そしてこの妖魔界を治める御方こそが、エンマ大王だ」

「…………(……?)」

納得しかけたが、少し首を傾げさせた。

──確かに妖怪となっても別段おかしくはない存在だが、
それはどちらかというとどちらの世界にも治められていると言える

存在だと思える……否、現状を知るオロチの言うことが
事実なので、この際もう何も言うまい。

「エンマ大王は、人間と妖怪が仲良く暮らす世界を望んでいる。
その為に、ここ最近この辺りで起こっていた事件は厄介だった」

「被害が拡大してしまうのを防いだのは、その為だったんだ……」