夢よ、どうか永遠に【イナズマイレブン】 (ページ2)

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つまはじきページ2

どこまでもイレギュラー。異物。相容れない存在。正直に言えば、この空間が息苦しくてたまらない。

「辛気臭い顔してんじゃねーよ。ここは葬式場か？そしてアンタは成仏できない地縛霊にでもなったつもりか？」

壁に寄りかかってひっそりと佇む少女に、不動は呆れたように言葉を吐いた。少女の視線は体育館の床に沈められたままで、不安げに自らを抱きしめている。
縮こまるように、身を守るように、組まれた腕に小さく力がこもる。

「………場違いだなぁ、と思って」
「事実、呼び出されてここにいるなら、場違いも何もねェだろ。アンタが無断で入ってきたわけでもなさそうだし。そうやってると余計目立つぜ」
「…………」

少女は視線を下げたまま、小さくため息を吐いた。体育館の中心で楽しそうに談笑する、メンバーの数々。不思議そうにこちらを伺っている者もいる。少女と同じように、壁の近くで髪を整えている者もいる。
夢と希望に溢れる、若々しい少年たちの集いがそこにはあった。そう歳も大きく離れていることもなかったが、少女には彼らが眩しくて、遠い存在のように思えてならなかった。同時に、自身が軽々しく関わってはならないものだと、苦々しい感情が胸を刺した。いたたまれずに、少年たちの集いから目をそらす。
…ふと、強い視線を感じた。不思議というよりは怪訝に、こちらを伺う少年。ゴーグルとマントを装着した、個性的な、なんというか、奇抜な少年だった。

「あぁ……」

やはりあの少年も呼ばれていたのか。そんな安堵と、ばつの悪さが表れた音が喉から滑り出た。
鬼道有人。姿こそなんとも形容しがたいが、彼が元帝国学園の天才的なゲームメーカーであることは、少女も認知していた。寧ろ少女は、彼のことを知りすぎていた。
だからこそ、耐えられず、探るような少年の視線から逃れるように、少女はそっと目を閉じた。

「……帰りたい」

ぼそりと呟いた独り言に、不動は「やめとけ」と律儀に返した。