家出少女は知っている

６ ページ8

彩「話って何翼？」

美「んー？何だと思う？」

彩「もうっ！わかんないから聞いてるんでしょ。」

いたずらっ子の顔をして言ってくる翼

この顔は絶対私の反応を見て面白がっている顔だ

美「だって、アーヤ朝から元気なかったでしょ。しかも、放送で呼び出されていたでしょ。だから心配になって。」

急にまじめな顔になる翼

本当に心配してくれてたんだ

彩「じ、じつはね・・・。」

でも、やっぱり言えない

もう心配はかけたくないよ

だって私は『いらない子』

誰の邪魔にもなりたくない

美「アーヤ？どうしたの大丈夫？」

心配そうに顔を覗き込む翼

彩「うんっ！ごめんね大丈夫。」

もう少しで私の気持ちに気づかれそうになった

だって翼は勘が鋭い

今の状況を話したらきっとなんとかしてくれる

でも・・・

今は必要ない

美「アーヤ。俺はそんなに頼りないかな？」

彩「えっ？」

いきなり言われた言葉

翼の顔はすごく傷ついた顔

彩「ち、ちがうよ。そんなこと思ってない。」

美「じゃあなんで、何も言ってくれないの？俺たち同志だろう？俺だけにも言ってくれてもいいでしょ。」

翼の言ってくれていることはすごくうれしかった

でも、いつまでも翼に甘えていてはだめだ

これは私の問題自分で解決しないと意味がない

彩「何言ってるの翼？私何も言うことなんかないよ。秀明に遅れるからそろそろ帰るね。じゃあね。」

美「待ってよアーヤ。何で俺の目を見て言ってくれないの。」

逃げようとしたら翼に手をつかまれて逃げれなかった

彩「翼・・・。はなして。本当に遅れるから・・・。」

私は早くこの場から立ち去りたかった

だからわざと冷たく言う

美「わかった・・・。ごめんね無理に引きとめて・・。」

そう言ってはなしてくれた翼

翼の顔は悲しさにゆがんでいた

ごめんね・・翼何も言えなくて・・・

彩「じゃあね。」

私はそう言って走って逃げた

悲しくて、つらくて、胸が痛くて振り返れない

私が強くなったらみんなに迷惑はかからない

これからは一人で解決していこう

絶対に頼らない

そう決めたから・・・

７→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す