一番上の姉【ヒプマイ】

家族　６ ページ6

合歓は俺と違って優しい。


俺は勘違いでここまで来てしまって引き返す事ができなくなってる。


引き返す度胸もねぇ俺に謝る覚悟はねぇ。


けど、許してもらえるなら合歓を許してやってほしい。


俺は許さなくてもいいから、合歓だけは…。


と、思っていた矢先、合歓が敵対している組に誘拐された。



『ふざけんな…ッ！』


「あ、兄貴！兎に角連絡を！！」


『あ”？ったく、んで俺様が…』


「兄貴の姉さんに連絡してください！兄貴だけの妹さんじゃないんスから！」


『チッ！』



舎弟に促されるがまま、俺は初めて自分から姉に電話した。


姉は何コールか後に出た。


俺は合歓を心配する焦りからか、合歓と話したことを忘れて、全く関係のないことを言ってしまった。



「お前がちゃんと早く帰らなかったからだ」


「お前が定時に仕事を切り出せなかったから」


「定時で終わらせられねぇなら、意味ねぇ」


「全部お前のせいだ」



最後の一言で俺は正気を取り戻したが、時既に遅し。


ツーツー…



「兄貴！妹さん、見つかりました！！」


『……おう、今行く』


「はい！」



合歓は姉が電話を切った瞬間に戻ってきた。


ヤバい、やっちまった。


そう思った時にはもう遅かった。


俺は後から謝ろうと思い、合歓を拾ってから家に帰った。


その間、たった十数分、その十数分で助けられた。

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