一番上の姉【ヒプマイ】

家族　１６ ページ25

『リーマン、まだ起きねぇか』


「え、嗚呼…はい」


「彼女が左馬刻のお姉さんですか…。全く似ていませんね」


「え、入間さん！？」


「話は左馬刻から聞いています。そんなに警戒しなくてもなにもしませんよ」


『オイ、銃兎。姉さんが寝てる前で騒がしくすんじゃねぇ』


「失礼。では、私はこれから仕事があるので」



銃兎が姉を一眼見てみたいと言うから、姉の病室まで連れて行った。


そこにはリーマンが寝てる姉の隣の椅子に腰掛けていた。


適当に話して銃兎は帰って行ったが、リーマンはまだそこに居座ってる。


仕事はどうしたんだよと聞くと、有給を取ったと返された。



『……そんなに心配かよ、姉さんのこと』


「まぁ…俺のせいでこうなっちゃったのもありますし…」


『ハッ、随分と責任感があるんだな。そのままいなくなった方が楽になれんだろ』


「そうかも知れませんけど、Aさんには亡くなってほしくないので」


『…姉さんのこと、大好きかよ』


「えっ！？ぃ、あっ、そういうわけじゃ…！！」


『なに動揺してんだ。まさか、マジで好きだとかアホなこと抜かさねぇよなァ？？』


「そ、そんな…女神であるAさんを俺が好きになるなんて恐れ多い…」



好きと言う単語を聞いただけで顔を赤くして激しく動揺するリーマンは明らかに分かりやすかった。


けど、姉自身はどう思ってるか分からねぇ。


本音を言えば諦めて欲しいが、今は姉の意見を尊重してやりたい。


横たわる姉を見つめるリーマンの目に写る感情は漠然としていた。

家族　１７→←家族　１５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す