一番上の姉【ヒプマイ】

日記 ページ19

部屋は必要最低限のものしか置かれておらず、女の部屋とは思えないほど殺風景な部屋だった。


整えられたベッドと、仕事用の資料やら大量に置かれた机に少し埃を被ったクローゼットは姉の前までの生活を物語っていた。



『…合歓とは大違いだな』



アクセサリーや化粧品は女性の必需品と合歓が言っていったが、それらしきものはあまり置かれていなかった。


多忙な仕事のせいか、それともお洒落をしても見せる相手がいないせいなのか…分からないが、兎に角、姉の部屋は女らしさがなかった。



『んだこれ…日記？もしかして、これ全部日記なのか…？』



机の上に並べられたノートを手に取ると“思い出”と書かれた日記で、どうやら姉が中学生の頃から書き続けられているものらしかった。


俺は一番最近の日付の日記を取り出し、読んでみた。


内容はその日にあった出来事やそれに対する思いを綴ったものだった。






H歴 ◯月×日


今日も残業。

独歩さんはバトルで優勝したおかげで、残業が減ったようだ。

それに比べて私は要領もわからず、仕事仕事…。


まぁ、家に帰っても居場所なんてないからまだこっちの方が気が楽かも。

なんて思ったりして…。

左馬刻と合歓は二人でショッピングだって。

お土産とか、買ってくれたりするかな？

無理だよね。二人は私のこと嫌いだもん。


あぁ、あったかいご飯が食べたい。

いつもコンビニ弁当とか、栄養ドリンクとか、カップラーメンとか…。

酷い時は食べない時もあるし…健康には良くないんだけどなぁ…。

次、家に帰れたら、外食に行こう。


ついでに買い物も…あ、合歓の好きな新しい化粧品も買わないと、左馬刻は…合歓が喜んだらそれでいいって感じなんだよなぁ…。


けど、渡さないわけにはいかないし…。

そうだ！チームの皆さんとお揃いのものをプレゼントしよう！きっと喜んでくれるはず！

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