◎ �� ページ22
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会社に行くと、ふと目に入るデスクの上のセンニチコウ。見るたびに紫耀を思い出してしまうのに、どうしても捨てられずにいた。約束の金曜日まであと少し。
「おはよ、Aちゃん」
「おはよ、廉くん」
廉くんに声をかけられてやっと目を離した。
……ん？あれ、廉くんの腕に傷が出来てる。
「廉くん、腕どうしたの？」
「え？……あ、いや、転んだんよ」
「えー珍しい、大丈夫？」
「大丈夫大丈夫！ありがと！」
何かあったのだろうか。嘘をついてるようにも思えたけど、触れてはいけないような気がして、それ以上は何も聞かなかった。
「なあ、今週の金曜日、 飯行かん？」
「えっ。……あー、ごめん。金曜日はちょっと」
「……そっか。じゃあ来週な！」
「うん！」
金曜日。胸がギュッとなる。本当にあの話の続きをするのか、全く違う話をされるのか、一瞬で紫耀の顔が脳裏に浮かんだ。考えるだけ無駄なのに。バカみたい。
× ×
……とうとう来てしまった、金曜日。待ち合わせ場所は職場からちょっと近いところにあるカフェ。予定の時刻よりも早めに着いてしまい、落ち着かない。仕事終わりの人達が行き交う店内で、ひたすら紫耀を待った。言われた時間から数分が過ぎた頃、一本の電話が。
着信：平野 紫耀
〈 もしもし？ 〉
《 ごめん、俺だけど 》
〈 うん 〉
《 まじでごめん、行けなくなった 》
〈 ……え 〉
《 また連絡する！ほんとにごめん 》
〈 ……分かった 〉
一気に力が抜けた。
……私は何を期待していたのだろうか。
切羽詰まった紫耀の声が頭の中でリピートされた。
電話を切って外へ出る。
ひんやりと風が頬を撫でた。
行き場のない気持ちが宙に舞う。
「Aちゃん？」
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こころ(プロフ) - もう泣いちゃいます…すれ違ってばっかりで苦しいです…主人公と紫耀くんがハッピーエンドになりますように。いつも素敵なお話ありがとうございます！Twitterの方でも毎日更新あるか通知いれてるのに見に行っちゃいます…大好きです！ (2021年2月24日 21時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年2月23日 14時
