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名前を呼ばれて振り返る。
「……廉くん」
「あれ、今日予定あるんちゃうの？」
「……なくなっちゃった」
「……そっか。……送ってく」
「ありがと」
廉くんの好意を分かっていて、ずるい女だと自分でも思う。
……ごめん。でも今は、誰かにそばにいて欲しかった。
廉くんは何も聞かず、ただただ、隣を歩いてくれた。
「Aちゃんさ」
「ん？」
「この前、カスミソウ貰ってプロポーズされたいって言うとったやん」
「うん……？」
「予約してい？」
「……予約？」
マンションに着いたところで立ち止まる。
廉くんは私の方を向いて背筋を伸ばした。
「俺が結婚してあげよっか」
全身に衝撃が走った。
「……何言ってんの」
「……俺、本気ですよ」
敬語になるときは真剣な証拠。
「ふざけないで」
「ふざけてないですよ」
ふざけてないことくらい私が１番よく分かっていた。
痛いくらい廉くんの気持ちが伝わってきた。
「……結婚なんてまだ気が早いよ」
「……あ、うん。付き合ってもないのにごめん」
「……ばか」
「予約な！予約！結婚の予約今したわ！」
「ふふ」
笑うなや！って突っ込まれたけど、いつも通りの廉くんに戻っていて安心した。
「じゃあまた」
「うん、またね」
あのまま、１人だったら私は今頃どうなっていただろうか。廉くん、ありがとう。いつもいつも私が辛い時にそばにいてくれて。
私の廉くんに対する気持ちが少しずつ変わり始めたのは確かだった。
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こころ(プロフ) - もう泣いちゃいます…すれ違ってばっかりで苦しいです…主人公と紫耀くんがハッピーエンドになりますように。いつも素敵なお話ありがとうございます！Twitterの方でも毎日更新あるか通知いれてるのに見に行っちゃいます…大好きです！ (2021年2月24日 21時) (
レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詠夢
| 作成日時：2021年2月23日 14時
