8話 平和 em side ページ16
ゾム「まぁ適当に座ってぇや」
私はあの後ゾムさんに連れられ城の中を案内してもらい、彼の部屋に招かれた。
時々すれ違う同じ軍の人達からの視線が刺さり、ゾムさんがこの軍の中でどれだけ偉大な人なのかを思い知らされる。
部屋に案内され中を見ると、あのやんちゃなゾムさんとはかけ離れた綺麗で洒落た空間が広がっていた。
その雰囲気に圧倒され、一瞬部屋に入ることさえ躊躇ってしまう。
エミ「…………………え、あ、はい…。」
物置の隣の壁に掛けられている物珍しいナイフが日の光に照らされてきらきらと光っている。
ゾムさんが座ったソファの隣に腰を掛けると私は周りをじっくりと眺めた。
ゾム「…そんな俺の部屋珍しいか?」
エミ「っ……あ、いや…………ゾムさんの部屋に来たの、初めてだったので…」
少し照れくさそうに笑うゾムと目が合い、恥ずかしくなり目をそらした。
するとゾムはまぁそうか、と言い笑いながら納得してくれた。
ゾム「あ、茶入れてくるわ。えと…紅茶でええ?」
エミ「あ………むしろそれでお願いしたいです。」
ゾム「wwわかったわ。」
彼はよっこらしょ、と立ち上がるとリビングと繋がっているちょっとした家庭用キッチンへと足を運んだ。
ゾム「いやーエミさん部屋に入れるから頑張って掃除したんやで?まあ、俺自身ちょっと潔癖なところもあるかもしれんけど」
雑談しながらもゾムはカップを用意すると、沸いた湯を入れティーバックをカップの中へと入れる。
ほらよ、と渡されたカップに口をつけると熱くて少し吹き出してしまう。
ゾム「んははっ何やっとんねん。熱いに決まっとるやろ、少し冷ましてから飲み」
エミ「……………はい…」
火傷した舌をゾムさんが冷凍庫から取り出した氷で冷ます。
それをにやにやした表情で彼は見ていた。
嗚呼、こんなにくだらなくてしょうもなくって。それでいてずっとずっと楽しい、こんな日々がずっと続けば良いのに。
「失礼するで。」
グル「………どうした?オスマン先生」
オス「先程の臨時会談でa国が俺らの国に戦争の意志表明をしてな。」
グル「…………………ほう?」
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作者名:清水・透 x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2021年8月9日 19時