2つの職業 (ページ5)

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1人で昼食を食べに来た

美味しいし、何も言うことない

お店にはね？

いや、

隣の人めっちゃ食ってんのが気になって自分の食事進まん…

なに？

寿司屋のカウンター、私と隣の人の間に皿の壁ができてる

やから顔が見えない

いや、これは顔見ないと帰られへんって

また、マグロやん

今んとこ4連続マグロ

少しの隙間から手だけ見えるけど、かっこいい人の手

東京はイケメン多いなぁ

大阪にいてもずっと劇場におったからイケメンに会わへんかっただけやねんけど

そんなことを思っていたら隣の人がお会計をするようです

見えそう、見てそう！！

あ、目合った

「えーーーー！！！！Aさんじゃないですかー！！！！」

声でっっっか！！！！

てか

『も、森本さんっ…！？』

レジに近づいてた大きな身体が私と目があった瞬間、軽やかに走ってきた

「初めまして！！森本慎太郎です！！」

いつの間にか、手を取られてブンブンと握手していた

『はっ、初めましてっ！！』

ニッコニコだ、、

髙地さんとは違うタイプの少年のような笑顔

「あ、お食事中失礼しました！すみません！」

めっちゃ礼儀正しい…

ギャップ…

『いえいえそんな！』

「メンバーがお世話になりました！！」

そういえばみんなこのセリフ言ってるな、

メンバー想いなんだなぁ、と心がじんわり暖かくなる

「Aさん、これからなにか用事とかあるんですか？」

『特に決まってないです、！』

それなら！と小さなカバンの中をゴソゴソと漁る森本さん

「今からこれ行くんですけど、さすがに男1人辛いので一緒にどうですか？」

差し出してきた、少しクシャっとなったチラシには
ピンクの可愛らしい文字で、"パフェ祭り"と書かれてあった

全然ええねんけど、、まだ食う？って言うのが本音

まだ隣にある積み上げられた皿、ざっと35は確実にある。

それに私も、もうお腹いっ……
「だめ、、ですか？」

きゅるきゅるのおめめがこちらを向いている

『ダメなわけないじゃないですか！！！！食べましょう！！たくさん！！』

デザートは別腹、と自分に言い聞かす

てか、こういうのって週刊誌とか大丈夫、？

初めましての森本さんに迷惑はかけたくないな…

「大丈夫ですよ、心配しなくても」

私の心配を感じ取ったのか、優しい笑顔で見つめている

めちゃくちゃかっこいいな、、

パフェのチラシ持ってるけど。