昔のお話5 ページ5
私が12歳、リリーは13歳になり一味の悪名はイギリス中に広まった。そして私の手配書『泥棒猫キティ』という紙がそこら中に貼られるようになった。
「おい、ガキども集まれ!」
頭の呼び声により子供達全員が大きな暖炉がある集会室のような所に集められた。
夜遅い事もあって多くの者が眠い目を擦りながら床に座った。どうせまた次のヤマに付いてだろうと思いながら。
頭は全員が集まった事を確認すると、座っていた椅子から腰を上げて話を始めた。
「今このイーヴル団はイギリス1の窃盗団となった。みんなよく働いてくれたな。...しかしここ最近お前らサボり過ぎじゃねぇか…なぁ」
頭の声はとても落ち着いている...ゆっくりと優しい声色で話している筈なのに何故だか背筋がゾワゾワとする様な、なんだか嫌な感じが伝わってきた。先程まで眠そうにしていた子達もすっかり目が覚めたようだった。
「そこでだ、お前達に1つ課題を与える。ちょっとしたゲームみたいなもんだ。明日から3ヶ月間に誰がどれくらい稼げるかっていうもんだ。1位の奴は、幹部に上げてやるよ!」
それを聞いてみんなワイワイと騒ぎ始めた。
「だが、最下位の奴は役立たずだったという事で________
しんでもらう」
目の前で暖炉の炎は轟々と燃えているのに、私の体は氷点下の極寒の地に放り出されたかのように冷たかった。
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