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「ただいま」


「おかえり」



そう言って出てきたママは、黒木君の顔を見た瞬間嬉しそうに「まぁ!」と声を上げた。



「送ってくれたの?ありがとう。ちょうど美味しいケーキがあるんだけど食べてかない?」


「いえ、もう夕飯時なので、またの機会に」


「あらそう?」



相変わらずだなぁママは。



「あのね、ママ。明日いつもより帰りが遅くなりそうなんだけど」



そう言うと、ママ分かりやすく眉を寄せた。



「ただでさえ生徒会で普段から遅いのに、もっと遅くなるの?」


「はい。実は今、生徒からいろいろなお悩みを募集してるんです。

 それを明日集計して、今度の集会の計画を立てないといけなくて。

 もちろん彩さんは俺が送ります」



う、上手い!

集計とか集会は嘘だけど、お悩みの募集や計画を立てるのは本当の事だった。

流石黒木君だぁ...。


それにはママも納得したようで、

黒木君が帰った後も、明日も会えるってずっとルンルンしてた。


黒木君中学生だけど、雰囲気が大人だからなぁ。

ママが気に入るのも分かる気がする。



「明日はいつもよりいい服着ておかなきゃ!」



だからと言って、これははしゃぎ過ぎかな...。







授業が終わり、各自部活後に体育館に集まった。

文芸部は少し終礼が長引いてしまって、私が最後だった。


もう学校には、私たちとまだ帰っていない先生たちだけしかいない。

廊下も真っ暗で、唯一の光源である非常口のランプも少し不気味に見えた。



「美門、ちゃんと仕掛けたか?」



若武の言葉に、翼は頷く。



「バッチリ。ちゃんと全体が写る所に仕掛けたから、確実に捕らえられるよ」



その時、体育館からダンッダンッとボールをつく音が聞こえてきた。

ひえっ!出てきた!?


思わず出て行きそうになった若武の襟を、上杉君が慌てて掴む。



「今行ったら、まだ十分に証拠撮れてねーだろ。せめてあと一分待て」



それで、みんなドアに耳を当てて待機した。

たまにゴールを決める音なんかも聞こえて来る。


私は自分の心臓がバクバクしているのを感じた。

幽霊の正体は一体なんなの!?

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桜餅(プロフ) - 桜雪さん» こっちの方までありがとうございます! (2019年10月25日 22時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪 - 続きがめっちゃ気になる ……… 楽しみにしてます 、更新これからも頑張ってください !!! (2019年10月25日 10時) (レス) id: ce021686b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - かずささん» ありがとうございます!これからテストあるので、テストが終わったら頻繁に更新できたらいいなぁ...二人のためにも!! (2019年10月10日 7時) (レス) id: 03f4026521 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 応援してます!!早く更新してほしいですっ!! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 339945d703 (このIDを非表示/違反報告)
実乃里(プロフ) - わああ!そういっていただき嬉しい限りの作者ですw (2019年9月9日 21時) (レス) id: d0bec08b22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜餅 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.pnp/sakuramoti  
作成日時:2019年8月15日 21時

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