３３ [N side] ページ36
33.
あいつがこんなに周りに気に入られてるなんて知らなかった。
自分でも、あれから妙な意識をしてることは認める。その意識のせいで普段あいつがどんな行動をしているのか勝手に目で追ってる。けど、こんなに周りからチヤホヤされてたっけ？ってなるくらいにアイツは色んな人に声を掛けられている。
スタジオに入ればカメラさんに
「お〜、Aちゃん、今日はよろしくね〜」
『こちらこそです！かっこよくお願いしますよ〜』
「ハハハ！もちろん！」
メイク室に入ればスタイリストさんに
「Aさん、可愛いスニーカー履いてますね！」
『これ、××の新作なんですよ』
「うわ〜いいな〜、さすが相変わらずトレンドおさえてますね！」
『スニーカーぐらいしかおさられてませんけどね(笑)』
事務所に行けば
「A！久しぶり！」
『お疲れ様です！最近どうですか？』
「めっちゃ忙しいよ〜、リリース前だし」
『アルバム発売もうすぐですもんねぇ』
挙句、楽屋で…
「Aちゃん、いつもと違う匂いする」
『クサくないですか？大丈夫ですか？』
「おお、全然。むしろすげぇ俺が好きな匂い」
『よかった〜、最近香水貰ったんで付けてみたんですよ』
「ん〜、オンナノコって感じ」
『ふふっ、それ褒めてますか？』
「すっごい褒めてる。やっぱり女の子はいい匂いじゃないとな〜」
なんて風に、大野さんといちゃついてる始末…。
なんだよ、新しい香水って！誰からもらうんだよ香水なんて！
つーかなんで大野さんが気付いてんだよ！距離感！！ちけぇよ！！！
「ニノちゃ〜ん、眉間しわくちゃだよ〜」
「うっさい相葉さん黙って」
「そんな顔しないの。自分だって普段リーダーとあのくらいの距離感でいるくせに」
「はっ！？俺と大野さんと同じ話じゃないでしょ！俺と大野さんは男同士！アイツは一応、オ！ン！ナ！」
「うはははは、Aちゃんが女なのはみんな知ってるでしょ！」
「そういう話じゃないんですけど」
もう、相葉さんだと話にならないんですけど。俺がキッと相葉さんを睨むと「まぁまぁ、リーダーも悪気はないって」とか意味わかんない慰めまでしてくる。
「だいたい、相葉さんも最近妙に仲良くない？」
「誰と？あ、リーダーと？そりゃあね、スイーツ部として活動して「そうじゃねぇわ！」
「くふふ〜っ、だからそんな怒んないの〜！」
「別に怒ってないし！」
俺の大声にみんながびっくりしたようにこっちを見た…うわ、恥ずかし…。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2016年4月25日 20時
