3 ページ3
Ki side
「………っ?」
「…昨日寝れてないんじゃない?」
「へ?」
「うっすらだけどクマできてるよ」
そう言いながら親指で目の下をさわさわとなぞられた。
「………っ」
「喉乾いてるなら俺買ってくるから寝てなよ。ね?」
またソファーの位置まで戻るよう促され、
「おやすみ」
そう甘い声で囁いて廊下にある自動販売機へ行ってしまった。
「………なんだ今の」
ムリムリ。考えるのもしんどい。
よし寝よう。
なるべく今起きたことは考えずに寝ることだけに
集中して目を閉じた。
.
「……んっ?」
ガヤガヤうるさい声と明るい光で目を覚ます。
「あ、キタミツ起きた」
「…はよ」
「はい、これガヤさんから」
「え?」
そう宮田に差し出されたのはペットボトルの水。
「北山に渡してって言ってたよ」
「…そか、藤ヶ谷は?」
「ガヤさんは今先に撮影中だよ。キタミツ最後」
宮田からペットボトルを受け取り一口飲むと、
普通の水なのに何故か甘い味がした。
……お礼言いに行かねぇとな。
.
556人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Cherry | 作成日時:2020年5月19日 9時