視線 ページ39
夏と言っても梅雨が明けた頃
いつものように彼の部屋で絵を描いていた。
私が描く絵は彼がよく居る
まぁ私が描きたいのは彼だから、問題はない
ただ...
彼との距離が何となく近いのだ。
なんだか、観察されているような視線を感じる時もあるし
気づいたら身長を測られてたり、
私を見ながら 頭を抱えていたりする。
嫌ではないけれど、
せめて理由くらいは教えて欲しい...
それでも 真剣な顔をしている彼を
邪魔するわけにもいかない。
来る日も来る日も、彼に聞こうか聞かないでおこうか 迷いに迷って
今日、聞くことにしたのだ。
握っていた筆を置き、
忙しく手を動かす彼に話しかけようとした
瞬間
電話がなった。
私の携帯はこんな壮大な音楽なんてないから
きっと彼だろう。
最初は無視していた彼だが、あまりにも長く続くので痺れを切らしたようだ。
『もしもし』
そう応えた。
続けて
『何か用かね?急用なら早く言いたまえ』
急かすような言葉を並べた。
すると、通話音量が最大だったのだろうか、
こちらにまで 話し相手の声が聞こえてきた。
『お師さぁん! 日本ネヴァーランド杯 出るんよなぁ?』
特徴的な喋り方をする 彼の弟子(?)
(お師さんって呼ばれてたしなぁ)
が電話相手のようだ。
『何回確認取れば気が済むのかね?!メールでも確認しただろう！全く！』
彼は少しご立腹のようだが、
怒りというより 呆れているように見える。
『お師さん、堪忍なぁ..
久しぶりのValkyrieの活動やから』
『俺、緊張しとるんよ!』
対して向こうは、
心做しか嬉しそうな声色だ。
『それよりも 影片!部屋はきちんと片付けているんだろうね?! また、ガラクタばっかり集めていたら..』
会話を聞くと、何やら日本で行われる大会か何かに出るようだ。
私は彼が何をしている人なのか、どういう人なのか知っているわけではない。
まぁ、仕事の話なのかなとは思うけれど。
仕事の邪魔をするわけにもいかないし
もう日が暮れてきたのもあって
メモ用紙に 帰ります とだけ書いて、彼の部屋から出たのだった。
『A、君もそう思うだろ..う...?』
静かな部屋には自分だけだった。
『お師さん?』
そう聞く影片に
『なんでもないのだよ』
と僕は答えていた。
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蒼也souya(プロフ) - 天使ちゃんさん» 天使ちゃんさん、はじめまして。感想ありがとうございます。クロワッサン買う場面はわたくしもお気に入りです！ありがとうございます。続きも楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2023年3月26日 14時) (
レス) id: 2dcf8a9402 (このIDを非表示/違反報告)
天使ちゃん - 初めまして！わたしは、宗先輩推しなんですがクロワッサン好きなんですよ！どうでも良いと思うけど推しが好きな食べ物を買うって言う話最高です！では、続き楽しんできます！！ (2023年3月26日 14時) (レス) @page26 id: f37909bd7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼也(souya) | 作成日時：2021年5月6日 2時
