８.負け犬の遠吠え ページ8
魔法薬学―
休暇明け最初の授業で出された課題は“安らぎの水薬”
難易度が高く、O.W.L試験にもよく出題される
材料は正確な量を正確な順序で大鍋に入れなければならず
混合液は正確な回数かき回さなければならない
一つ一つの細かい手順を完璧にしなければならないのだ
「薬から軽い銀色の湯気が立ち昇っているはずだ」
授業が終わる10分前、スネイプは教室を見渡す
湯気が上がっている生徒はたった1人だけだった
「素晴らしい出来栄えだな、Miss.ロヤリテート」
『お褒め頂き光栄です』
クロウはその出来栄えにスネイプから加点される
ハリーは3行目の作業を飛ばしていた様で減点され
シェーマス、ゴイルは爆発させていた
「完成した水薬を瓶に入れ
片付けを済ませてから教室を出る様に」
スネイプがそう言い、授業が終わる
そして、生徒達は指示された様に動き出す
ﾋｿﾋｿ
「あの子がドラコの彼女？あり得ないんだけど」
「てか、まだ付き合ってたんだ
愛の妙薬でも飲ませ続けてるんじゃない？
魔法薬作りが得意みたいだし」
「絶対あんな子より私の方が釣り合うわ」
「ロヤリテートが何だって言うのかしら」
クロウに対する陰口が聞こえて来る
休暇前に少なくなったと思っていたら勘違いだった様だ
ｻﾞｯ
「僕の愛してる人が何だって？
性格の悪い君らを好きになる程、僕は落ちぶれてないぞ」
教室を出ようと彼女達の横を通りすがる時に
吐き捨てる様にそう伝えるドラコ
『あら、貴女達、随分と自信がおありの様で
でも、私、負け犬の躾の仕方は分からないわ』
ドラコの横からごめんなさい、と眉を下げて言うクロウ
2人共、嫉妬や妬みから言われる陰口には慣れているのだ
「はぁ！？」
その2人の言葉に怒りで顔を赤くさせる彼女達
何も言い返す事も出来ず
ただ、教室を出て行く2人を見送る事しか出来なかった
ｽﾀｽﾀ
地下牢教室を出て、昼食へと向かう5人
「流石、僕の彼女だな」
『こちらこそ。ドラコは最高の彼氏よ』
ドラコは満足そうにクロウの頭を撫で
クロウもドラコに対して嬉しそうに微笑む
「ほんと最高だよお前ら」
大笑いして目に涙を溜めているセオドール
「クロウより頭悪い癖に何言ってるのかしら」
陰口しか叩けない癖に、とパンジーはご立腹である
「これで暫くは言われなくなるね」
そう、アミーの言う様にいずれ時間が経てば
また陰口は叩かれる物なのだ
普段怒らないクロウでも家系や家族の事
ドラコや友人の事を悪く言われると怒るのだった―
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
