49.雲行きが怪しい ページ49
朝食時―
ﾊﾞｻｯ
ドラコの元にワシミミズクが手紙を届けに来た
「…」
何とも言えない複雑な表情をしているドラコに
周りは何が書いてあったのか、と不思議に思う
『ドラコ、どうしたの？』
「クロウ、夏期休暇は会えないみたいだ
フクロウ便も控えた方がいいって母上が」
クロウが心配そうに問い掛けると
ドラコは眉を下げて申し訳無さそうにそう返した
『…』
クロウは何故ナルシッサが手紙を送ってきたのか分かっていた
だからこそ、少し眉を顰めた
「せっかく、僕ん家の別荘に行く予定だったのに」
ごめん…と謝るドラコ
『ううん、ナルシッサも何か訳があってそう言ってるのよ
寂しいけれど大丈夫、学校で会えるもの』
謝らないで、とクロウは微笑む
「でも…」
まだ申し訳無さそうにするドラコの口に
クロウは人差し指を立てて、当てる
『その代わり、落ち着いたらちゃんと連れてってね？』
約束だよ、とクロウは笑い掛ける
「あぁ、約束する」
ドラコもその笑顔につられて笑い返す
朝食を終え、自室に戻り、明日の支度をするクロウ
明日は夏期休暇が始まる為、帰省するのだ―
ﾊﾟﾀﾝｯ
『(ナルシッサの手紙、内容は見ていないけれど
ドラコとハリーの喧嘩から大体は推測できるわ
今、ヴォルデモートはマルフォイ邸に拠点を移してる)』
クロウは杖を振り、荷造りを済まし
険しい顔をしながらソファーに腰掛ける
監督生の自室はダブルベッド、ドレッサー兼勉強机
ソファー、クローゼット、本棚など豪華なのである
『(ルシウスが予言を取って来れなかった
つまり、任務に失敗した、という事…)』
クロウはそこまで理解し、顔を歪める
ヴォルデモートがその後に取る行動など明白だからだ
『(ドラコが死喰い人にされてしまう…)』
そう、あのヴォルデモートなら
ルシウスの息子であるドラコを死喰い人にして
何らかの遂行不可能な指令を与えて
失敗させ、ドラコを殺して夫妻を苦しめるつもりだ
『(遂行不可能な指令…
ホグワーツに通うドラコだから出来るもの…)』
クロウの頭の中にはすぐ答えが出てきた
『(アルバス・ダンブルドアの殺害…)』
それと同時にそれをすぐにわかってしまう自分に嫌気がさした
あぁ、彼と同じ思考回路なのだ、と
『(優しい彼が人を殺せるはず無いわ…)』
最悪の事態を想像してしまい、手が震え出してしまう
『(ダンブルドア校長に伝えなきゃ)』
震える手を強く握り締め、思考を巡らせ
策を練りながら校長室へと向かった
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
