36.心の拠り所 夢主side ページ36
イースター休暇になり私達は
フランスのシャモニーにある別荘に来ていた―
「何かあったらいつでも呼んで」
『えぇ、お父様』
お父様が姿くらましで送り迎えしてくださる
今、うちの屋敷にはダンブルドア先生もいるから
あの時、別荘に来る事にして正解だったと思う
ｽﾘｯ
『久しぶりね、プロテジェ』
覚えてくれてたのね、と私は頭を撫でてあげる
「クロウ、その大きな猫は…」
『マタゴっていう魔法動物よ
おばあ様に懐いててね、ここの警備をしてくれてるの』
見た目は少し大きな黒猫で光る青い目
通常は大人しいが、挑発されると
体が大きくなり、獰猛になるのが特徴の魔法動物
「って事は」
『そう、おじい様とおばあ様が住んでた所なの』
別荘にしては広い建物を見てドラコが聞いてくる
『おばあ様はフランスの魔女だったから』
私はそう伝え、彼を建物内へと案内する
着いたのが夕方だったから1番のおすすめは明日まで我慢だ
ｶﾁｬ
手料理をご馳走する、と約束した為
夕食にはフランス料理を作り、振る舞う
『どうかな？』
家族以外の人に食べて貰うのは初めてで緊張する
「クロウ、凄く美味しい！
目でも舌でも楽しめるなんて最高だよ
毎日でも食べたいくらいだ」
ドラコは凄く嬉しそうに褒めてくれる
『(ま、毎日…)』
その言葉に思わず、頬に熱が集まって来る
ドラコはそんな私を見て不思議そうにしていた―
ｼﾞｰｯ
『どうしたの？』
私が入浴を済ませ、戻って来ると
先に済ませたドラコが本棚と睨めっこしていた
「いや、これ全部フランス語だよな」
『おばあ様はフランス語しか使えなかったから』
「クロウは使えるのか？」
『えぇ、勿論』
そう言い、一冊の古い本を手に取る
おじい様がよく読んでくれてた本だ
「ん」
広いベッドに先に入り、隣に来いと言わんばかりの彼
彼なりに甘えてるのだと少し微笑ましくなる
ｷﾞｭｯ
「君はなんでこんな落ち着く香りがするんだ」
『そう？私はドラコの香りの方が落ち着くけれど』
彼は私をテディベアの様に抱きしめるのがお気に入りだ
肩に顔を埋めてくるから少しくすぐったいけれど
彼に包まれている感じが安心して私もお気に入りだったりする
ﾍﾟﾗｯ
私が本を読んでいると耳元で静かな寝息が聞こえて来る
『ふふっおやすみ、ドラコ』
ゆっくりと横に倒し、寝かせて布団を被せ
相変わらず綺麗な寝顔だなぁと少し見惚れてしまう
『私が貴方の心の拠り所で居続けられます様に』
そう呟いて、私も眠りにつく―
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
