32.赤い薔薇 ページ32
今日のホグズミードはバレンタインデーが
重なったせいか、すごい人集りである―
ｶﾞﾔｶﾞﾔ
『凄い賑わってるね』
あまりの人の多さに苦笑を浮かべるクロウ
生まれながら開心術が優れているせいか
人が多すぎる場所が少し苦手なのである
「クロウ、あの広場に行こう」
マダム・パディフットの喫茶店の前は広場があり
ベンチなどが置かれていて、大通りよりは人が少ない
繋いだ手を優しく引くドラコ
ｽﾄﾝｯ
『ドラコ、ありがとう』
気を使わせちゃったね、と眉を下げるクロウ
「僕はクロウとフィデスと過ごす時間なら
何時間あっても足りないからな」
なぁ、フィデス、と撫でるドラコ
『ふふっそうね、ドラコに渡すものもあるし』
そう言い、クロウはドラコに長方形の箱を手渡す
ﾊﾟｶｯ
「マカロンだ」
箱を開けると綺麗に並べられた３個のチョコマカロンがあった
『…どうかな？』
「うん、美味しいよ。流石だ」
『良かった』
ドラコが感想を言うと表情が明るくなるクロウ
「手料理も食べてみたいな」
マカロンを食べながらそんな事を呟くドラコ
『ドラコさえ良ければ
イースター休暇にご馳走するよ？』
「本当か⁉︎」
食い気味に聞いてくるドラコに思わず笑ってしまうクロウ
『お父様が勉強ばかりじゃ息が詰まるだろうから
イースター休暇に別荘でも行きなさいって』
ドラコと一緒が良いなって、とクロウがドラコを見つめる
「僕が君からの誘いを断ると思うか？」
楽しみにしてる、と嬉しそうに返事をするドラコ
私も、とにこにこと笑みを浮かべるクロウ
ﾌﾜｯ
「クロウ、愛してる」
そう言い、ドラコは赤い薔薇6本の花束を手渡す
『わぁ素敵‼︎』
受け取り、ありがとう、と喜ぶクロウ
ｽｯ
『私も愛してるわ、ドラコ』
その花束から1本取り出しドライフラワーにして
ドラコの胸ポケットに刺し、微笑むクロウ
「…君は常に僕の予想を超えてくるな」
ドライフラワーになった薔薇を見つめ
悪戯っ子の様に笑いかけるドラコ
『退屈しないでしょう？』
クロウも楽しそうに笑い返す
ｽﾘｯ
ドラコがクロウの頬に手を添え、長めのキスをする
唇が離れた後も余韻に浸る2人
「僕をこんなに夢中にさせるのはクロウだけだよ」
優しく微笑むドラコにクロウは頬を赤くした―
―解説―
6本 貴女に夢中
1本(ドライフラワー)
永遠に貴方だけを想う、幸福のお守り
5本 貴女に出逢えて心から嬉しい
カップケーキ・マカロン
“貴方は特別な人”と言う意味です。
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
