24.身を守る術を ページ24
休日の午後、ドラコとクロウはフィデスを連れて
オークの木のある坪庭に来てくつろいでいた―
『フレッドとジョージが
あの壊れたキャビネット棚に押し込んだのよ
そしたら、彼が5階のトイレに詰まってたんだって』
昨日起きた事を話すクロウ
彼女はぬいぐるみの様に
後ろからドラコに抱き締められている
ﾍﾟﾗｯ
『1970年頃に流行った物なのね…』
クロウは本のｰ姿をくらますキャビネット棚ｰが
記載されているページを開き、読み込んでいる
ｽｯ
『どうしたの？ドラコ』
くすぐったいわ、と身をよじらせるクロウ
いきなりドラコがクロウの肩に頭を乗せてきたのだ
「…何でもない」
顔を隠す様にして頭を置いている為
表情は見えないが、明らかに拗ねている様子のドラコ
ｻﾗｯ
『ふふっ』
ドラコの頭を撫で、笑うクロウ
彼がやきもちを妬いていると気付いたのだ
「…何だ」
『ドラコは分かりやすいなって思って』
顔を上げるドラコにクロウは笑い掛ける
「君は開心術が使えるからな」
『使わなくても分かるよ
私のこと大好きって顔してるもん』
拗ねるドラコに悪戯っ子の様な笑みを向けるクロウ
「ｯ‼︎」
ドラコはそう言われ、顔を赤らめて
それを誤魔化す様にクロウを抱き締める
「なぁ、クロウ」
『ん？』
暫く経ち、顔の火照りがひいたのか
その状態のままクロウに話し掛けるドラコ
「君の様な開心術師に対抗できる方法とかあるのか？」
『開心術師も完璧じゃないもの、方法はあるわ』
疑問を投げかけるドラコに答えるクロウ
『閉心術を使うの』
「閉心術？」
学校で習う機会が無い為、知らない生徒の方が多い
『心を閉じる。ただそれだけ
だけど、これが凄い難しくて
思考や感情を自分の意志でコントロールする事が必要なの』
杖を振る事も呪文も無いわ、とクロウ
「クロウは出来るのか？」
『感情に左右され易い人はダメみたいで』
クロウはそう言い、苦笑する
「君は分かりやすいからな」
『ドラコに隠す事なんて何も無いもの』
ドラコにそっと身を委ね、クロウはそう言う
『…ドラコ、閉心術、身につけてみない？』
「僕も君に隠す事なんて無いが？」
表情を見せないクロウに少し不安になるドラコ
『疑ってる訳じゃないの
ただ、開心術師が必ずしも良い人とは限らないでしょ？』
身を守る手段は多い方が良い、と告げるクロウ
「まぁ、そうだな。やってみる」
『うん、ありがとうドラコ』
特訓手伝うね、とクロウは少し申し訳なさそうに微笑んだ―
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
