17.狡猾 ページ17
1週間が経ち、教育令第68号
-学生による組織は禁止-という条例が追加された―
「寂れた店の方が安全だと思ったのよ…」
放課後、以前と同じ場所でクロウに話すハーマイオニー
それぞれ目くらましの術をかけているのは保険である
『彼女の記憶で見たわ
ウィリー・ウィダーシンっていう魔法省のスパイが
その場にいて、盗み聞きされてたのよ』
あそこだけは注意してって言っておけば良かったわね、と
クロウはハーマイオニーに謝る
「変なのに好かれてるわね…」
眉を顰めるハーマイオニー
『私が純血で貴族だから媚びを売って来てるだけよ
でも、魔法省関係の情報収集や
貴女達を擁護するのに利用させて貰ってるの』
気分が良くなると記憶が見やすくなるから楽よ、と
クロウは平然と言って退ける
「貴女だけは絶対、敵に回したく無いわ…」
これは厄介だわ、とハーマイオニーは苦笑する
『きっと、執拗に嗅ぎまわられると思うけれど
表立って擁護してあげられないから気を付けてね
特に一人一人の行動の気の緩みからバレてしまうから』
特にフィルチには気をつけて、とクロウは言う
「分かったわ、気をつける」
『ハーマイオニー、署名の紙を見せてくれる？』
クロウにそう言われ
皆が署名したあの羊皮紙を渡すハーマイオニー
ﾋﾟﾗｯ
『28人…』
予想通りね、とクロウは何かを考える仕草をする
「何を見てるの？」
『名前を暗記してるの
裏切りが確定したら呪いを掛けた私には分かるけれど
事前に防げるなら防ぎたいじゃない』
ありがとう、と羊皮紙を返すクロウ
「貴女、そう言う所、抜かり無いわね」
『私、狡猾なスリザリン寮生だもの』
悪戯っ子の様に笑うクロウに
ハーマイオニーは流石ね、と笑い返す
「ねぇ、貴女が指南してくれたって
本当に伝えなくて良いのかしら…」
『いつかバラすのにちょうど良いタイミングがある筈よ
今は私の好感度を上げるより
指導者の貴女達の信憑性を高めた方が良いもの』
貴女と私だけの秘密よ、と微笑むクロウ
「それにしても、マルフォイは
もう少し束縛が激しいタイプだと思ってたわ」
『お互いを信頼してるもの
束縛する必要なんてないわ』
話題が変わり、盛り上がる2人
『私達、似た者同士なのよ』
「クロウとマルフォイが？全然似てないわよ！」
『そう？じゃあ、似てきたのかしら
貴女達の方は鈍感な所そっくりよ』
「ロンは鈍感だけれど、私は違うわよ」
それにクロウには言われたくないわ、と
2人は楽しそうに話していた―
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
