１.白孔雀 夢主side ページ1
夏期休暇―
ﾎﾟﾝｯ
「失礼の無いようにね」
『勿論です、お父様』
私は今日、初めてドラコのお屋敷に行く
だから、お父様に送って貰っていた
「お久しぶりです、クロノス」
「久しぶりだね、ドラコ」
出迎えてくれたドラコとナルシッサに挨拶をするお父様
「いらっしゃい、クロウ」
泊まって行っても良いのよ？、とナルシッサが言い
良いのかな、と私はお父様に視線を移す
「じゃあ、明日の同じ時間に迎えに来るよ」
『ありがとうございます、お父様』
そう言ってお父様は私の頭を撫で、姿くらましで仕事へ向かう
「父上は用事で明日の朝まで戻らないんだ」
『じゃあ、その時にご挨拶するね』
私がルシウスを探していると彼がそう教えてくれて
もうすぐ昼食の時間よ、とナルシッサが案内してくれる
ｶﾁｬ
『とても美味しい昼食だったわ』
昼食を終えて、屋敷しもべ妖精のダニエルに感謝を伝える
その後、ドラコに外へと連れ出されナルシッサと別れる
ｻｧｧ
「君にここを見せたかったんだ」
『素敵…』
そう言い、ドラコが連れて来てくれたのは
お屋敷から少し離れた所にある凄く大きな温室で
中は美しい植物が多く、綺麗に整えられていた
「父上が母上にプレゼントしたものでね
小さい時から僕も良く来ていたお気に入りの場所なんだ」
ほら、こっち、と私の手を引く彼
無邪気な姿に私は可愛らしいな、と微笑ましくなる
ﾀｯ
『…白孔雀だわ』
彼が足を止めた先にいたのは美しい白孔雀達だった
ちょうどその時、ナルシッサが彼を呼ぶ声がする
「ちょっと行ってくる」
ここでゆっくりしてて、と言い残し温室を出て行くドラコ
ｽｯ
『初めまして、貴方達素敵な所に住んでるのね』
私は近寄ってきた雄の孔雀にしゃがみ込んで話し掛ける
孔雀はその大きな飾り羽根が故にあまり高く飛ぶ事が出来ない
だけど、この温室は
天井も物凄く高く、広さもかなり広い造りになっている
『…だから、貴方達を愛さずにはいられないのね』
プライドが高く、誰も寄せ付けないかの様な雰囲気の中には
こんなに優しい愛情が溢れてるんですもの、と
彼と彼の両親の事を想い、独り言を呟く私
ﾊﾞｻｧｯ
『ふふっ』
そんな事をしていたらいきなり目の前で
羽を扇状に広げられ、思わず声を出して笑ってしまう
「君の魅力は孔雀にまで分かるみたいだな」
ドラコが戻って来た様で
この光景を見て、少し不貞腐れている
『ドラコに似たのかもね』
少し揶揄うと、思わず顔が赤くなる彼が私は大好き―
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kurou(プロフ) - ルリさん» ルリさん、お褒め頂き光栄です🙇🏻♂️色々と未熟ですが精進していきます！ (2022年1月26日 12時) (
レス) id: 9eb87bac7a (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - とても素敵な作品で、更新が待ち遠しいです！久しぶりのワクワクで読んでいてとても楽しいです！次の更新も頑張ってください！ (2022年1月26日 8時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：戯言。 | 作成日時：2022年1月21日 14時
