Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ36)

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36.聴聞会ページ36

ある休日―

「素敵な日ね」
「全くだよ…八つ裂きにされてなきゃね」
「八つ裂きって何の話？」
言い合いをするハーマイオニーとロンに
状況を知らないハリーが不思議そうにする

「ロンの鼠がいなくなったの」
「違うよ、殺されたんだ」
君の猫にね！とロンはご立腹である

「馬鹿馬鹿しい…」
「君の猫じゃないって言うなら
ロヤリテートの犬だな！」
アイツはスキャバーズに唸って来た事がある、と
ロンは声を荒げる

ｻﾞｯ

『あら、フィデスが何かしたって言うの？』
クロウとフィデスが3人の前に現れた

「君の犬がスキャバーズを殺したんだろ！
危険レベルの魔法生物を連れて歩いてる自体可笑しいだろ‼︎」
ロンは出会って早々クロウに怒号を浴びせてしまう

「「ロン！」」
ハリーとハーマイオニーが止めようとするが
軽く手を上げ、それを制止するクロウ

ｽｯ

『ウィーズリー？
大切な家族がいなくなって悲しいのはわかるけれど
私だって家族に証拠の無い罪を着せられるのを
黙って見てられる程、優しくないわよ？』
死体、無いのでしょう？それとも
食べたって言うのかしら？とクロウは嗤う

「なｯ⁉︎」
『もし、フィデスが貴方の鼠を傷付けた証拠があれば
貴方に梟を贈るわね』
煽られ、怒りを露わにするロンに
私、ハグリッドの所に行かなきゃとクロウは去って行く

そして3人も同じようにハグリッドの小屋へと向かう―

「どうだった？ハグリッド、聴聞会は」
ハーマイオニーが問い掛ける

「俺のクビは逃れたし、ウィザウィングスは
ロヤリテート家の所有にするっちゅう事で処刑は無しだ」
ハグリッドは凄く嬉しそうにそう答える

『ルシウスも何も言わなかったでしょう？』
「あぁ、凄く大人しかったよ」
面白いくらいにな、とハグリッドは笑う
その様子に3人の表情も明るくなる

『明後日の放課後に
お父様がウィザウィングスを迎えに来るわ』
その時までにお別れしてね、とクロウはハグリッドに微笑む

「あぁ、クロウ、本当に助かった」
『私は何もしてないわ
ちょっと、周りに協力してもらっただけよ』
ハグリッドが深く頭を下げると、頭を上げて？と
クロウは苦笑し、その場を後にした―

「マルフォイは本当に説得したのね…」
「本当に処刑を逃れたよ…」
ハーマイオニーとハリーは上手く物事が進み、驚いていた―