Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ34)

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34.誕生日プレゼント　夢主side ページ34

『また、休暇明けね』
そう言い、5人と別れる
父が姿現しで個々の家に送るからだ―

「お嬢様、プレゼントはどうなされますか？」
見送りを終えて、家に入るとメリーがそう聞いてくる
クリスマス同様、沢山プレゼントが届くのだ

『今から開けるわ』
私の部屋に運んでくれたらしく、
ありがとう、とメリーに伝え、部屋に向かう

ﾊﾟﾀﾝｯ

部屋へ入ると先に戻っていたフィデスが出迎えてくれる

『参考書、本、羽根ペン、アクセサリー…』
消耗品や参考書、本は大変嬉しいが、
アクセサリーだけは少し困っているのも事実…

『たまに、呪いが篭ってるのよね…
お父様とお母様に確認してもらってからケースに入れなきゃ』
純血の一族であり、両親が有名な為、
後ろ指を立てられる事もあるからもう慣れてしまった
あからさまな物はフィデスが燃やしてしまうけれど

ｽｯ

『マグルの世界の動物の図鑑だわ！嬉しい！
これは…美容液かしら、お勧めしてくれてたやつね』
アミーとパンジーは入学してから
お互いの誕生日を教え合っている為、贈り合っている

『(今年は海洋生物って分類の物ね
パンジーのは今日から使ってみよう…！)』
そんな事を考えながら開封していると
フィデスが小さい綺麗な箱を咥えて持ってきた

黒い箱に緑とシルバーのリボン…

『フィデス、もしかして…ドラコからなの？』
私はまさか、とフィデスに問い掛ける
彼は私の誕生日を知らない筈だから

―「フィデス。これ、クロウに渡してくれるか？
　僕からってことは秘密にしておいてくれよ」―

気になってフィデスの記憶を見ると
眉を下げ、微笑みながらそう言って
フィデスにプレゼントを渡したドラコが見えた

ﾊﾟｶｯ

『素敵…』
箱を開けるとそこには
サファイアのチェーンピアスが包まれていた

『ドラコは本当にセンスが良いのね』
初めて貰ったリボンも気に入っているから
彼が気付いているかは分からないけれど、毎日付けている

『(いつでもあなたを見守っているよ、
いつも一緒にいたい、か…)』
貴方はピアスをプレゼントに贈る意味を知ってるのかしら

もし、知ってて贈ってくれたのなら…

『(私も同じ気持ちだよ、ドラコ)』
そんな事を考えながら、ピアスを付けてみる

ｼｬﾗｯ

『ふふっ本当に素敵なプレゼント』
サファイアが私の目の色そっくりで
とてもキラキラと輝いていた

『(私もドラコにお返ししなくちゃね)』
意味を込めて贈ったら彼は気付いてくれるかな、なんて―