Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ15)

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15.モヤモヤページ15

休日談話室―

「(同じ寮だったらもっと仲良くなれたかな)」
ハリーは先日の魔法薬学の時に感じた
モヤモヤについて考えていた

「ハリーは何をしてるの？」
「さっきからずっとあんな感じなんだ」
ぼーっとしてるよ、とロンはハーマイオニーに答える

「そうね…あ！」
ハーマイオニーは何かを思いついた様に
ハリーへと近づいて行く

「ハリー」
「どうしたの？ハーマイオニー」
「貴方今、クロウの事考えてたでしょ」
そのハーマイオニーの言葉にハリーは目を丸くする

「ち、違うよ」
「顔を見れば分かるわ。
本人と直接話してこれば良いじゃない」
「え？」
ハーマイオニーの言葉に唖然とするハリー

「図書室に午前中はいるわよ」
今日だけ貸してあげるわ、とハーマイオニー

「分かった、行ってくる…」
自信なさげに図書室へと向かっていくハリー

「良かったのか？君が先約だったんだろ？」
「良いのよ、ずっとぼーっとされてても困るもの」
そんなハリーを見送る2人だった―

図書室―

ﾍﾟﾗｯ

図書室へと着くと1人席に座り、
静かに自習をしているクロウを見つける

「…」
話しかけて良いのかな、とハリーは怖気付く

「クロウ」
『？あ、ハリーじゃない』
1人なんて珍しいわね、とクロウは言う

「ハーマイオニーがちょっと急用出来ちゃって」
『あら、そうなの？』
それもまた珍しいわね、と笑うクロウ

『ハリーはそれを伝えに来てくれたの？』
「うん、今日はクィディッチの練習も無かったし」
ハリーは何となくクロウと目線が
合わせられなくて、逸らしながら話す

『そうなのね、ありがとう』
「うん」
クロウは図書室を出て行こうとしないハリーを見て
不思議そうな表情をした後、何か思いついた様な表情をする

『せっかく図書室に来たんだもの、ハリーも一緒に勉強する？
今日はフィデスもいないから』
フィデスは貴方のこと警戒しちゃうから、とクロウ

「いいの？」
『えぇ、元々ハーマイオニーに教える為の時間だったから』
相手が貴方に変わるだけだもの、とクロウは言う

「ありがとう、クロウ！」
『じゃあ教科書を持って来てくれる？』
分からない科目だけで大丈夫よ、とクロウ

ﾀﾞｯ

「あら、ハリー嬉しそうね」
談話室に駆け込んでくるハリーに声を掛けるハーマイオニー

「うん！勉強教えてくれるって」
ハリーはにこにこと嬉しそうに教科書を持ってまた出て行く

「あんな顔、シーカーに決まった時以来だぞ」
それを見て呆れ顔をするロンだった―