13.苛立ち ドラコside ページ13
「(イライラする…)」
クロウと話して楽しそうにするポッター
クロウに頭を撫でられているグレンジャー
それに加えて、上級生の双子まで混じる
そんな様子を見て僕はどうしようもない苛立ちに襲われていた
ﾀｯ
『ドラコ、ぼーっとしてどうしたの？』
体調悪いの？、と聞いて来るクロウ
「いや、大丈夫だ。
それより、ポッター達と何話してたんだ」
苛立ちをクロウにぶつけるなんてもっての外だ、と
なるべく感情を悟られない様、問い掛ける
『ハグリッドの話をしてたの
彼等、ハグリッドと友達みたいだから』
その話題で何故ポッターは
君に見惚れる事があるんだ、と思いつつ聞く
『ドラコのお陰で大丈夫って伝えたわ』
「そうか」
3人は面白い表情をしていたけれど、とクロウは笑う
彼女が笑うと僕の中の苛立ちがスッと消えて行く感じがした
ｽｯ
『午後は魔法史の次が飛行訓練ね
ドラコ行きましょ、遅れちゃうわ』
時間割を見て、僕の方を見るクロウ
「あぁ、行こう」
君の事気になってるのは
僕だけじゃない、って分かってた筈なのにな
そう思いつつ、僕は席を立ち彼女の隣を歩く
ｶﾞﾔｶﾞﾔ
「飛行訓練か、クロウはだいぶ上達したもんな」
最初怖がって乗れなかったクロウと練習したのを思い出す
『ドラコのお陰よ、感謝してるわ』
じゃないと私、一生乗れなかったわ、とクロウ
「僕が箒が上手くて良かったな」
『本当よ、ドラコは教えるのも上手だったもの』
僕が揶揄っても彼女は素直に自分の気持ちを伝えて来る
それがむず痒くて、でも嬉しくもあった
『魔法動物に乗って飛ぶのも楽しいよ？』
「じゃあ、今度試させてくれ」
『お父様に保護区に行けないか聞いてみるね』
クロウはにこにこと本当に楽しそうに会話をする
そして、僕と話す時だけ少し口調が崩れるのも知ってる
「(…なんでそんな平然と僕の隣にいてくれるんだ
君にとって僕は何なんだ…)」
僕は君の言動や行動一つ一つに
自分じゃ抑えられなくなるんじゃないかってくらい
感情を揺さぶられてるのに。
「(でも、君を勝手に好きになったのは僕か…)」
笑顔で僕の名前を呼んで、側に来てくれる
それが続いてくれるなら、このままの関係が良い
そう心に仕舞い、クロウの隣を歩いていた―
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作者名：戯言。 | 作成日時：2021年12月20日 21時
