Per mare per terram -アズカバンの囚人- (ページ17)

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17.板挟みページ17

ﾊﾟﾀﾝｯ

『ハリー、もうすぐ昼食の時間よ
ここで終わりにしましょう』
「あっという間だね」
そう言い、2人は一緒に大広間へと向かった

「ねぇクロウ、また勉強教えてくれないかな」
『そうね、また予定が合えば良いわよ』
アミー達とかにも教えなきゃだし、とクロウ

大広間―

「おい、あれ見ろよ」
「スリザリンとグリフィンドールは珍しいな」
仲良さげに大広間に入って来る2人に生徒達は騒めく

『じゃあね』
「うん！またね」
そう言い、それぞれの寮のテーブルへと向かって行く

「グレンジャーに勉強を教えに行ったんじゃないのか？」
クロウが席に座るとそう問い掛けるドラコ

『ハーマイオニーが急用で来れなくなったって
それで、ハリーに魔法史を教えてたの
今度も勉強教えてくれないか、って言われたけれど』
その一言にドラコの表情は曇る

『来週の休日はアミーとパンジーに教えるし、
その次はドラコと自習するから』
まだ何も答えてないけど、とクロウは言う

「…」
『ドラコ機嫌悪いの？何かあった？』
「なんでもない」
不機嫌そうなドラコを心配するクロウ

ｺｿｯ

「クロウも鈍感と来たか…」
「凄い2人から好かれたね…」
「面倒な事になったわ…」
その様子を見ていた
セオドール、アミー、パンジーの3人は顔を引き攣らせていた

一方、グリフィンドールのテーブルでは―

「デートか？ハリー」
「スリザリンの姫とはお目が高い」
ハリーはジョージとフレッドに揶揄われていた

「違うよ、魔法史を教えて貰ってただけだよ」
ハリーは赤くなりながら答える

「マジかよハリー…」
「クロウはモテるわよ」
そんなハリーを見て2人が見せた反応は真逆だった―

『…ドラコ、私と話すの嫌？』
機嫌が悪くいい加減な返事しかしないドラコに
クロウは悲しそうな表情になる

「…嫌じゃない」
『本当に？私はドラコと話したいのに
ドラコは不機嫌だもの…悪い事をしたなら謝るわ』
そう言い、俯くドラコの顔を覗き込むクロウ

「君は何も悪くない」
『じゃあ機嫌直して？』
私はドラコと楽しく話したいの、とクロウ

「ｯ…分かった」
『ありがと。それでね…』
渋々と言った表情のドラコを
ｸｽｯと笑い、話し始めるクロウだった―