episode508 ページ9
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貴「…ってことがあって、アニは飛行艇に乗らずに船でアズマビトたちと行くことになったわ」
リヴァイ「そうか」
船室のベッドの上で私はリヴァイの横に寝転んでいた。
オディハに向かうまでの海の上で穏やかで、静かで…
カモメたちが自由に空を飛んで鳴いていた。
貴「アニと初めて会ったのは、初めて壁が壊された日だったの」
あの日は…リヴァイの前から去って、蘇った日だった。
私は海を見に行って、その帰り道にアニとライナーとベルトルトに出会った。
＿貴「こんなところで…見ない顔ね、なにしてるの？」
＿ライナー「！！」
＿貴「子供3人で壁の外なんて…ふーん…
ねぇ。困ってるなら助けてあげようか？」
私は出会ってすぐ、3人が島の外から来たマーレの戦士で、巨人の力を持っているとわかった。
貴「…だから私は壁を壊す手助けをしたの。3人が壁の中で普通に生活できるように」
リヴァイ「………」
貴「アニとは…地下街を一緒に回ったわ。
アニは目的である始祖の巨人の手がかりを探すため…私はあなたを探してた」
リヴァイ「…その頃俺はもう調査兵団に入ってた」
貴「えぇ…あなたは、人類最強の兵士だと呼ばれてた」
リヴァイが生きているだけで嬉しかった…
だってリヴァイ…間違ったらケニーみたいに人を殺して回ってそうだったから。
そうなっていなくて良かったと思った。
貴「できれば私は調査兵団に入らずにいたかった…
でも、アニやライナーたちは私に一緒に訓練兵に志願して欲しいと懇願してきてね。
私も迷ったのよ…だって調査兵団に入ればまたあなたと話せるかもしれないと思ったから。
近づいてはいけないはずなのに…近づきたくて…つい訓練兵に入っちゃった」
リヴァイ「…お前が死んだあと、俺は相変わらずファーランと働いていた」
貴「…懐かしい名前ね…」
リヴァイ「お前を1分たりとも忘れたことは無い。…俺が愛する女は生涯でお前だけだと決まっている」
貴「ふふっ」
リヴァイ「…それで」
貴「……」
リヴァイ「お前はどうしたい」
貴「そうね…
……私はみんなとずっと一緒に居たいわ」
リヴァイ「……」
貴「みんなとご飯を食べて、働いて汗を流して、
寝る前には恋バナなんてしたりして、笑いあって
私はただ平穏な毎日を過ごしたい」
リヴァイ「ﾌｯ…お前らしいな」
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月19日 11時
